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2019年11月8日

相場の見立て・展望(11月08日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
8日の日経平均は4日続伸、前日比61.55円(0.26%)高の23391.87円でした。4日連日で年初来高値を更新し、昨年10月10日以来の水準に上昇しました。ザラ場の高値は23591.09円でしたが、伸び悩みました。中国商務省は7日、発動済みの追加関税を段階的に撤廃する方針で一致したと発表しました。しかしながら、ナバロ米大統領補佐官(通商担当)は7日、中国政府が発動済みの追加関税を段階的に撤廃する方針で米国と一致したと発表したことを巡り「現時点で合意はない」と述べました。これが上値圧迫要因となりました。

前回当コラムで、「いったん23000円大台を回復したことで、目先の達成感が出たことも事実です。このため来週の日経平均は「高値圏でのもみあい」、即ち、「時間調整」となるとみています。具体的な想定レンジは25日移動平均線(1日現在22187.22円)~10月29日高値23008.43円です。これについても、中期のトレンドが上向きとみているため、上限の23008.43円を多少の上振れをしても不思議はないと考えています。」としました。

しかしながら、実際の日経平均は調整を一切せず、3連休明けの5日は前週末比401.22円高の大幅高を演じ、8日には一時23591.09円まで上昇する場面がありました。確かに、「上限の23008.43円を多少の上振れをしても不思議はない」とは書きはしましたが、上昇ピッチの速さにはさすがに驚きました。ただし、現時点においても、昨年10月2日の24448.07円までの全値戻しが期待できるとの見方は不変です。来週の日経平均の想定レンジは25日移動平均線(8日現在22415.62円)~24000円です。

ところで、市場の一部で、相場下落で利益が出る「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)」の信用買い残の急増が話題になっているようです。8月16日に1384万口だったのが、11月1日には7102万口と、5.13倍にまで積み上がっているからです。「日経ダブルインバース」は、指数の変動率が、日経平均株価の前日比変動率(%)のマイナス2倍となるように計算された、日経平均ダブルインバース・インデックスに連動するETF(上場投資信託)です。多くの個人が逆張り姿勢を続けている結果でしょう。そして、彼らの多くは拡大する評価損に苦しんでいると推察されます。

また、日経平均が年初来高値圏で推移しているのに、売り方の個人のみならず、多くの買い方の個人も、ヒアリングベースでは活況相場の蚊帳の外にいるようです。実際、「2018年末の相場急落などの傷が癒えず、19年の新規株式公開(IPO)銘柄の値動きは振るわない。」、「東証の投資部門別売買動向によると、年初からの現物株の売買代金に占める個人のシェアは18年ぶりの低水準に沈む。」と一部で報じられています。

一方、足元の上昇相場の牽引役は、やはり海外投資家です。投資部門別売買動向(現物と先物の合計)によれば、海外投資家は9月から2兆6000億円を買い越しました。順張り買いの海外勢だけが一人勝ちしている感じです。よって、勝ち組の海外勢の買いが目立つ、好業績の大型株を中心に売買することが当面の運用戦略だと考えます。一方、個人投資家の関与率の高い新興銘柄や、小型材料株は避けた方がよさそうです。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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