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2020年3月6日

相場の見立て・展望(3月6日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
前回当コラムで、「流石に来週は多少のリバウンドが見込めるでしょう。27日時点の日経平均ベースのPBR1倍水準が20706円です。このあたりが下値メドとみています。一方、上値メドは5日移動平均線(28日現在22301.90円)です。少なくとも、5日移動平均線を上回るまでは本格的な戻り相場は期待薄ともみています。」としました。

予想通り、3日に21719.78円までのリバウンドはありました。しかしながら、その後、週末にかけ再び大きく売り直されてしまいした。やはり、少なくとも、5日移動平均線を上回るまでは本格的な戻り相場は期待薄なのでしょう。

なお、5日のNYダウは反落、前日比969.58ドル安の26121.28ドルでした。クオモ・ニューヨーク州知事が5日、同州の感染者数が一晩で22人に倍増したと発表したことや、4日にはカリフォルニア州が州全域に非常事態宣言を出したことが嫌気されました。一方、NY円相場は反発、前日比1円40銭円高・ドル安の1ドル=106円10~20銭でした。一時105円97銭と2019年9月4日以来、ほぼ半年ぶりの円高・ドル安水準を付けました。このような状況を受け、VIX指数は前日比7.63(23.85%)高の39.62でした。

このVIXが高水準だと、「リスクパリティ戦略」を採用しているファンドからの売りが米国株式市場で大規模、且つ、断続的に出てくることが予想されます。株式が急落するケースでは、通常、ボラティリティーが急上昇するので、当該ファンドはリスク量を引き下げるために機械的に株式を売却してくるからです。つまり、需給的には、「売るから下がる、下がるから売る」という格好になり、その売りが株価指数の下落を加速させることになります。

一方、6日の日経平均は前日比579.37円安の20749.75円でした。昨年9月4日以来約半年ぶりの水準に沈みました。一時、20613.91円まで売り込まれる場面がありました。前日の米国株安や外国為替市場での円高が嫌気された結果です。そして、6日の日経平均ボラティリティー・インデックスは前日比8.34(29.71%)高の36.41でした。こちらも、VIX同様に、高水準です。よって、東京株式市場でも、「リスクパリティ戦略」を採用しているファンドから、機械的な売りが出易い状況が続いています。

基本的には、米国株が親亀、日本株は子亀という関係です。このため、親亀である米国株式市場の動揺が収まり、VIXが低下してこないと、子亀である日本株の乱高下は継続する見通しです。また、日経平均については、5日移動平均線(6日現在21121.14円)を安定的に上回らない限り、下振れ懸念の強い状況が継続するとみています。

来週の日経平均に関しては、下値は60ヵ月移動平均線(同20280.65円)としておきます。一方、上値については、第1メドは5日移動平均線、第2メドは3日の21719.78円です。正直、ここまで市場が動揺してしまったので、日米共に政策当局からの何らかの対応がないと、下がり続けてしまうリスクが急速に高まってしまったと、警戒しています。当面は、ジョージ・ソロスの名言とされる、「まずは生き残れ、儲けるのはそれからだ!」を肝に銘じて、相場に臨みましょう。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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