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2020年3月13日

相場の見立て・展望(3月13日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
前回当コラムで、「正直、ここまで市場が動揺してしまったので、日米共に政策当局からの何らかの対応がないと、下がり続けてしまうリスクが急速に高まってしまったと、警戒しています。当面は、ジョージ・ソロスの名言とされる、「まずは生き残れ、儲けるのはそれからだ!」を肝に銘じて、相場に臨みましょう。」としましたが、今週は心配した通り、「暴落」といっても過言ではない、激しい下げに見舞われてしまいました。

13日の日経平均の終値は前日比1128.58円(6.08%)安の17431.05円、始値は18183.47円、高値は18184.46円、安値は16690.60円でした。終値としては16年11月11日以来、3年4カ月ぶりの安値で、下げ幅は16年6月24日以来、約3年9カ月ぶりの大きさでした。そして、今週(3/9~3/13)の日経平均は3318.70円(15.99%)下落しました。週間の下げ幅としては過去最大で、下落率としてはリーマン・ショック直後の08年10月6~10日の24.33%以来の大きさを記録しました。

ところで、日経平均は、リーマン危機後の09年3月にPBR0.81倍まで低下しました。ちなみに、PBR0.81倍の水準は、3月12日ベースの1株あたり純資産(BPS)から計算すると16891.35円です。このPBR0.81倍付近で下げ止まってくれるとありがたいのですが、正直、わかりません。なお、事態が正常化し、後から振り返れば、PBR0.8倍台は超割安水準だったということになるはずです。

ですが、現在は日米ともにハイボラティリティー相場(VIX指数・日経平均ボラティリティー・インデックス(日経平均VI)が高騰している相場)が継続しているため、リスクパリティ型ファンドからの機械的な売りが出続けことは間違いありません。12日のVIX指数は前日比21.57(40.02%)高の75.47でした。これは、リーマン・ショック時の08年11月以来の高水準です。また、13日の日経平均VIは前日比0.38(0.74%)安の51.10でした。VIXや日経平均VIは株式相場が大きく下落すると上昇しやすく、20を超えると不安心理が高まった状態とされます。このため、これらが20を上回っているは、日米共に下値不安が根強く、また、日中値幅の大きい日が続く見通しです。

一方、13日までの相場急落を受け、信用取引を行っている個人からの追証絡みの売りはほぼ一巡したとみています。ただし、戻れば売りたい投資家は多数いるはずです。このため、信用絡みの投げ売りが出難くなったとしても、上値を買いたくなるような明確な材料が出てくるまでは、買いは「売り方の利益確定の買い戻し」だけということになりかねないとみています。そして、当然の帰結として戻りは鈍いでしょう、明確な好材料の出現なしでは・・・。

そして、米国株式市場の動揺が収まり、VIXが低下してこないと、日経平均の乱高下は継続する見通しです。また、日経平均については、5日移動平均線(13日現在18994.52円)を安定的に上回らない限り、下振れ懸念の強い状況が継続するとの見方は不変です。ただし、現在の株価水準はバリュエーションを無視した投げ売りによって形成された大幅なディスカウント価格であり、まさにバーゲンセール状態だと思っています。明確なきっかけさえあれば、相当規模のリバウンドが発生するはずです。このため、従来以上に、日米の要人のコメントや行動をウオッチしておきましょう。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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