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2022年1月14日

相場の見立て・展望(1月14日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
前回当コラムで、(東証マザーズ指数に関して)「7日の昨年来安値862.44ポイントを割り込まない限り、「超短期的なリバウンド狙い」は一考に値するとみています。862.44ポイントが、所謂「スパイクロー(spike low:突出安とも呼ばれる。前後の安値よりも突出して安い安値。)」になる展開を期待しているからです。」としました。実際のマザーズ指数は、翌営業日の11日が前週末比0.06ポイント高、12日が同23.33ポイント高と反発したものの、買いは続きませんでした。13日は同32.50ポイント安、そして、週末14日は同29.26ポイント安の844.78ポイントでした。14日安値は833.82ポイントで、前述のスパイクローとなることを期待した862.44ポイントを割り込みました。

東証マザーズ指数の1月14日の終値は844.78ポイントと、5日移動平均線(14日現在878.34ポイント)、25日移動平均線(同967.16ポイント)、75日移動平均線(同1065.77ポイント)、200日移動平均線(同1120.20ポイント)全て下回っています。このため、短期・中長期の下落トレンドが発生中と認識しています。

マザーズがここまで弱い主因は、米国で金利先高観が強まり、日米株式市場で、グロースからバリューへと、物色が変化しているからです。12日発表した2021年12月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が7.0%と39年半ぶりに7%台に達しました。これを受け、セントルイス連銀のブラード総裁は12日、「2022年に4回利上げする可能性が出てきた」と述べています。そして、ブレイナードFRB理事は13日、米上院の公聴会で「インフレは明らかに米国人を苦しめている。テーパリングの完了後、できるだけ早く利上げを開始する準備を整えている」と述べています。

このような状況下、インフレの主因のエネルギー価格は今年に入って再び上昇基調ですし、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大による人手不足を主因にした「サプライチェーンのボトルネックも長引いています。このため、「1~3月期中に2%を付ける可能性がある」が一部で指摘されています。以上のことから、「グロース売り+バリュー買い」の流れは継続するとみておく必要があります。

一方、日経平均に関しては1月5日の29388.16円が目先天井になったとの見方を継続しています。なお、1月14日終値は28124.28円と、5日移動平均線(14日現在28416.02円)、25日移動平均線(同28656.53円)、75日移動平均線(同28848.77円)、200日移動平均線(同28848077円)全て下回っています。このため、短期・中長期の調整局面が続いていると認識しています。日経平均に関しては、概ね27500円~30000円のボックス相場が続くというのが、現時点での当面のメインシナリオです。ですが、米国株式市場、特にナスダックス総合株価指数が大きく崩れるようだと、昨年8月20日の昨年来安値26954.81円を試す可能性は低くはなくなったと危惧しています。

兎に角、当面の米国株については、米長期金利が落ち着くまでは、グロース株中心にボラタイルな動きを続けることを覚悟しておくべきです。そして、日本株はその米国株の動きに右往左往し続けることでしょう。このような相場では、通常モードよりも資金管理を厳格化した上で、著名投資家のジョージ・ソロス氏の名言「まずは生き残れ、儲けるのはそれからだ」を常に意識して相場に臨んでください。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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