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2022年1月21日

相場の見立て・展望(1月21日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
米国株式場が波乱の展開となり、その余波で東京株式場も下値模索の展開を余儀なくされています。1月19日のS&P500種株価指数が、長らく下値支持線になってきた100日移動平均を下回って取引を終えました。また、ナスダック100指数は20日、昨年11月19日に付けた最高値からの下落率が10%を超え、調整局面入りしました。

そして、ラッセル2000に関しては、19日に50日移動平均が200日移動平均を上から下に突き抜ける「デッドクロス」が出現。ただ交差したのではなく、200日移動平均も下を向いていることから「完全な形」のデッドクロスとされ、米国では「デスクロス(death cross)」と呼ばれ、弱気相場入りを示しているとして話題を集めているそうです。このように、テクニカル的に米国の各株価指数の先安観が強まっています。

市場では、FRBがインフレ抑制のため、3月のFOMCで0.25ポイントを超える利上げを実施するとの見方が強まった結果、米10年物国債利回りが急上昇し、株価指標で割高なハイテク系グロース株への売り圧力が強まっています。一方、1年で最も消費が盛り上がるはずの12月の米小売売上高は前月比1.9%減でした。これをきっかけに、金利上昇後の米国景気の減速懸念も浮上し、ここにきてバリュー系景気敏感株も売られがちです。この結果、米主要3株価指数は軟調に推移しているのです。

このような状況を受け、週末21日の日経平均は前日比250.67円(0.90%)安の27522.26円でした。5日移動平均線(21日現在27870.63円)、25日移動平均線(同28506.78円)、75日移動平均線(同28730.92円)、200日移動平均線(同28760.08円)全て下回っています。短期・中期・長期の下落トレンドが発生中と認識しています。また、東証マザーズ指数は前日比12.24ポイント(1.48%)安の812.76ポイントでした。5日移動平均線(同823.05ポイント)、25日移動平均線(同925.16ポイント)、75日移動平均線(同1045.12ポイント)、200日移動平均線(同1111.25ポイント)全て下回っています。こちらも、短期・中期・長期の下落トレンドが発生中と認識しています。

現時点での当面のメインシナリオです。ですが、日経平均については、25日線ベースのボリバンマイナス2σ(21日現在27579.38円)を中心に、マイナス3σ(同27114.19円)とマイナス1σ(同28044.58円)とのバンドウォークを続け、ボリバン自体はエクスパンションするとみています。即ち、3月SQに向けて日経平均VIが上昇するというのが現時点のメインシナリオです。一方、東証マザーズ指数に関しては、既にボリバンがエクスパンションを継続中ですが、25日線ベースのマイナス2σ(21日現在788.78ポイント)を中心線に、マイナス3σ(同719.81p)とマイナス1σ(同857.76ポイント)とのバンドウォークを続けるというのがメインシナリオです。そして、スクィーズの兆候がみえたら、本格的なリバウンドの発生が、ようやく期待できるとみています。

ところで、FRBは1月25〜26日にFOMCを開きます。市場では、ここで、パウエル議長が3月の利上げ開始を事実上予告するとみています。ですが、一部では、ここで資産購入の即時終了を決定し、利上げに踏み切るとの見方もあるようです。いずれにせよ、結果が判明するまでは、米国株式市場は不安定な動きを続けるでしょう。

また、25日にはマイクロソフト、26日にはテスラ、27日にはアップルなど注目度の高い企業の決算発表が予定されています。内容次第では波乱要因になる見通しです。このため、来週の米株式市場は乱高下する可能性が高そうで、日本株はその米国株の動きに右往左往し続ける見通しです。兎に角、市場の不透明感が強いため、引き続き通常モードよりも資金管理を厳格化した上で、著名投資家のジョージ・ソロス氏の名言「まずは生き残れ、儲けるのはそれからだ」を常に意識して相場に臨んでください。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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