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2022年2月4日

相場の見立て・展望(2月4日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
日経平均の1月5日高値は29388.16円でした。その後、1月27日には一時26044.52円まで下落する場面がありました。1か月弱の下落幅は3343.64円に達しました。しかしながら、これが目先の底値になり、2月2日には一時27564.62円まで上昇する場面がありました。この間の上昇幅は1520.10円と、下落幅の45.46%を戻しました。テクニカル的に、ほぼ半値戻しを達成したことで、戻り一服感が強まりました。一服感が強まったきっかけは、2月2日の米株式市場の時間外取引で、2021年10〜12月期決算を発表したメタプラットフォームズ(旧フェイスブック)が20%超急落したことでした。

このような状況下、イングランド銀行(BOE)と欧州中央銀行(ECB)のタカ派姿勢が強まっています。BOEに関しては、投票権を持つ9人のうち4人が0.25%ではなく、0.5%の利上げを主張したことが市場にサプライズを与えました。一方、ECBに関しては、ラガルド総裁が記者会見で2022年の利上げについて「データ次第だ」と回答し、これまでの年内利上げを否定する姿勢から転換したことに、市場は驚きました。ちなみに、経済協力開発機構(OECD)が3日発表した21年12月の加盟38カ国の消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.6%上昇し、1991年7月以来、約30年ぶりの大幅な上昇でした。

物価上昇の主因のひとつがエネルギー価格の上昇です。例えば、2月3日のNY原油先物相場は5日続伸しました。WTI期近の3月物は前日比2.01ドル高の1バレル90.27ドルでした。90ドルを上回るのは2014年10月以来、7年4カ月ぶりで、一時は90.37ドルを付ける場面がありました。「OPECプラス」が2月2日の会合で3月も現行の緩やかな増産ペースを維持する方針を決めたことや、ウクライナ情勢を巡る緊張の高まりから、欧州でエネルギー需給逼迫観測も強まっていること、さらに、寒波や積雪の影響で米国での暖房用燃料の需要が拡大しているため、エネルギー価格の上昇基調は継続する見通しです。このエネルギー価格上昇によるインフレ圧力の強まりは、世界的な金利押し上げ要因であり、特に、高PERのグロース株にはネガティブに作用することでしょう。

その一方で、2月3日の米株式市場の時間外取引では、同日夕に2021年10〜12月期決算を発表したアマゾン・ドット・コムが一時17%高となり、米ハイテク株の決算への過度の懸念が大幅に後退しています。これは日米株式市場のグロース株には久しぶりの好材料です。また、2月4日、政府が今月末を期限としている水際対策について、山際大志郎新型コロナ対策相大臣が、「日本にとって必須の外国人の方の入国についてどんどん広げるという方向にある」と述べ、緩和に向け前向きな姿勢を示しました。政府は、早ければ来週にもこの水際対策の緩和措置について方針を示す見通しです。これは、とりわけ、アフターコロナ関連銘柄へのポジティブ材料です。

ちなみに、週末4日の日経平均は前日比198.68円(0.73%)高の27439.99円と、反発しました。5日移動平均線(4日現在27259.07円)は上回っています。一方、25日移動平均線(同27886.71円)、75日移動平均線(同28582.95円)、200日移動平均線(同28632.71円)全て下回っています。短期・中期・長期の下落トレンドが継続中と認識しています。現時点での当面のメインシナリオですが、1月27日の26044.52円が当面の底値。第1戻りメドは25日移動平均線(4日現在27886.71円)とみています。引き続き、不安定な相場が続くと見てはいますが、下値を固める動きに期待しています。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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