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2022年3月4日

相場の見立て・展望(3月4日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
3月4日の日経平均は前日比591.80円(2.23%)安の25985.47円と、大幅反落しました。ウクライナ南部ザポロジエにある欧州最大規模の原子力発電所でロシア軍の攻撃を受けて火災が発生したと伝わりました。ロシア軍が原発を砲撃するなんてことは、誰も予想していませんでした。それだけに、東京株式市場に衝撃が走り、運用リスクを回避する姿勢が一段と強まりました。

ウクライナとロシアの代表団は3月3日に2回目の停戦交渉に臨み、近く3回目の協議を開くことで合意したと報じられました。しかしながら、マクロン仏大統領は3日、プーチン露大統領と電話会談をしました。フランス大統領府高官は会談後に「マクロン氏は今後、最悪の状況が訪れると予想している」と記者団に明らかにしています。プーチン氏は軍事作戦が「計画通り進んでいる」とし、ウクライナが「非軍事化」などの条件を受け入れなければ作戦を続けると強い決意を述べたそうです。

ところで、ロシアのウクライナ侵攻で、金、原油、石炭、小麦・トウモロコシ等の穀物などの商品市況が大きく上昇しています。このため、インフレが加速し、長期化する懸念が強まっています。このような状況下、3月2日、パウエルFRB議長は議会証言で、「3月に政策金利を0.25%引き上げ、一連の利上げ局面に入ることを支持する」と述べました。また、「インフレが高まる、あるいは高い状態がより長引けば、より大幅な利上げの可能性を閉ざさない」とも話しました。

ただし、「ウクライナ侵攻とその後に続いている戦争、経済制裁や今後のイベントが米経済に及ぼす短期的な影響は、依然として不確実性が高い」とも指摘しています。この「市場に対して十分に配慮して利上げを実施する」という趣旨の議長証言を考慮すれば、FRBが拙速な金融引き締めをすることはないでしょう。これは世界の株式市場の下支え要因です。しかしながら、当面の株式市場は、ウクライナ情勢に関するニュースヘッドラインに右往左往することは不可避だとみています。

テクニカル的に、3月4日の日経平均の終値は25985.47円と、相変わらず、5日移動平均線(4日現在26465.46円)、25日移動平均線(同26915.50円)、75日移動平均線(同28028.63円)、200日移動平均線(同28425.48円)全て下回り、5日・25日・75日・200日移動平均線が「下降のパーフェクトオーダー」を実現しています。よって、日経平均自体が、5日移動平均線と25日移動平均線を上抜き、且つ、25日移動平均線自体が上向きに転じてこないと、自律反発期待が盛り上がることはないとの見方は不変です。そして、25日移動平均線が強力なレジスタンスとして引き続き意識されるとみています。

ただし、2月24日の安値は25775.64円、3月4日の安値は25774.28円です。東京株式市場が閉じている間に、ウクライナ情勢にポジティブな材料が出たり、現地時間4日の米国株式市場が大幅高したりすれば、チャート的に「ダブルボトム」形成期待が浮上します。そのケースでは週明け7日は「買い場」になるかもしれません。逆に、特に買い材料も見当たらず、週明け以降も冴えない相場となり、その後、3月4日安値の25774.28円を割り込み、「底割れ」するようならば、「セリングクライマックス」を待って、「バーゲンハンター」を目指しましょう。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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