関東財務局長(金商)第1756号
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2022年5月14日

相場の見立て・展望(5月14日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
4月の米CPIは前年同月比8.3%上昇と3月の8.5%からは伸びが鈍化しました。しかし、市場予想の8.1%を上回りました。エネルギー・食品を除くコア指数の上昇率も6.2%と市場予想の6.0%以上でした。また、4月の米PPIは前月比0.5%上昇と市場予想と一致しました。しかしながら、前年同月比では11.0%上昇と高い伸びとなりました。

このような状況下、米上院は5月12日、FRBのパウエル議長を再任する人事を承認しました。そのFRBは、通常の倍となる0.5%の利上げを5月から7月にかけて3連続で実施しようとしています。また、6月から量的引き締め(QT)も開始します。毎月の減額ペースは6~8月に国債を300億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)を175億ドルとします。9月からは合計で月950億ドルを上限に保有資産を減らしていきます。

そして、金融緩和の正常化を急ぐFRBの方針を受け、足元の米国株式市場は乱高下しています。なぜならば、市場では、FRBが景気後退を回避しつつ、インフレ抑制に成功する「ソフトランディング」は難しいとの見方が強まっているからです。

例えば、5月12日のNYダウは6日続落し、前日比103.81ドル安の31730.30ドルでした。ただし、ナスダック総合株価指数は小幅反発し、同6.726ポイント高の11370.962ポイントでした。米国では、ここまでの株価の大幅下落で信用取引の買い主体にはマージンコール(追証)が発生しているとみられ、損失覚悟の投げ売りが出ているもようです。もちろん、わが国も同様です。特に、グロース株を信用買いしている個人投資家に追証が出ているとみられます。

このような投資環境下、日米株式市場では、急伸した後に急反落する「ブルトラップ(強気のワナ)」が繰り返し起きています。強気のワナと呼ばれる動きを繰り返すと、チャート上は右肩下がりが続き、多くの投資家の手の内が悪化します。

ところで、5月13日の日経平均は前日比678.93円(2.64%)高の26427.65円と、大幅反発しました。この上昇で、5日移動平均線(13日現在26175.29円)は上回りました。しかしながら、25日移動平均線(同26806.51円)、75日移動平均線(同26860.38円)、200日移動平均線(同27997.82円)全て下回っています。また、25日・75日・200日移動平均線全てが「下向き」です。中期・長期の下落トレンドが発生中と認識しています。この状態が続くようだと、3月9日の24681.74円付近までの下落を覚悟しておく必要がありそうです。一方、25日・75日移動平均線を上回るようならば、本格的なリバウンド期待が盛り上がる見通しです。

ちなみに、明るい材料はあります。円安・ドル高が急速に進み、海外勢の日本株への買いが優勢になったことです。対外及び対内証券売買契約などの状況(月次、指定報告機関ベース)によれば、海外投資家は4月に日本株を3カ月ぶりに買い越しました。買い越し額は3兆3881億円と、2019年4月以来3年ぶりの高水準でした。

ですが、世界的なインフレや金融引き締めへの警戒感は強いため、日米株式市場が中長期の上昇トレンドに回帰するのは難しいと考えています。短期的なリバウンド終了後、再び、下落を再開することを警戒しながら、慎重に相場に臨むことをお勧めします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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