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2022年7月1日

相場の見立て・展望(7月1日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
前回の当コラムでは、“日経平均に関しては、25日移動平均線(24日現在26987.06円)、75日移動平均線(同26823.96円)、100日移動平均線(同26857.11円)あたりを目指すというのがメインシナリオです。ただし、5日移動平均線(同26060.27円)を割り込むようだと、それはいったん、リバウンド終了のサインと考えます。”としました。実際の日経平均は6月28日に一時27062.31円まで上昇し、終値は27049.47円と、5日・25日・75日・100日移動平均線全て上回りました。しかしながら、29日の終値は26804.60円となり、25日・75日・100日移動平均線をあっさり下回りました。

そして、30日終値は26393.04円となり、5日・25日・75日・100日移動平均線全て下回りました。よって、6月20日の25520.23円を起点としたリバウンドは、6月28日の27062.31円で終了したと考えています。僅か7日で終わりました。やはり、今回も「ベアマーケット(弱気相場)」の途中で発生する一時的なラリー(上昇相場)である、「ベアマーケット・ラリー」だったのでしょう。なぜならば、「ベアマーケット・ラリー」の⼒強さ、持続性は、「ブルマーケット・ラリー」と比較して、著しく劣ると考えられているからです。

なお、日経平均がピークアウトして調整入りした主因は、やはり、震源地の米国の株式市場が不安定だからです。上半期(2022年1~6月期)のNYダウの下落率は15.3%安と大幅に下落しました。上半期の下落率としては1962年以来、60年ぶりの大きさでした。また、ナスダック総合株価指数は、上半期は29.5%安となり、上半期の下落率としては過去最大となりました。そして、S&P500種株価指数は上半期に20.6%安と、下落率は上半期として1970年以来の大きさでした。

ちなみに、6月30日のNYダウは反落し、前日比253.88ドル安の30775.43ドルでした。同日発表の5月の米個人消費支出(PCE)が、前月比0.2%増と4月の0.6%増から減速し、市場予想の0.4%増も下回りました。また、FRBが物価指標として重視するPCE物価指数は総合の上昇率が前年同月比6.3%と4月から横ばいでした。インフレ圧力が強い状況が続く中、GDPの約7割を占める個人消費の低迷を、多くの投資家が嫌気した結果、リスクアセットの株式が売られたのです。

この米国株安を受けた、7月1日の日経平均は前日比457.42円(1.73%)安の25935.62円と、大幅に3日続落しました。取引開始前に日銀が発表した6月の日銀短観で、大企業・製造業DIがプラス9と、前回3月調査のプラス14から悪化したことで、景気敏感株中心に売りが広がりました。株式市場では、世界各国の中央銀行による、インフレ対応としての急激な金融引き締めが、世界景気をオーバーキルすることを改めて警戒しているようです。

ところで、6月27日付けの大和証券のレポートによれば、「今年はETFの分配金捻出売りが、曜日の関係で7月8日(金)に集中する。先物売却と資金捻出の現物売りの合計で1兆円程度の売り圧力になろう。」としており、来週の日本株の需給は悪化する見通しです。このため、6月28日の27062.31円を起点にした調整は来週も続く可能性が高そうです。日経平均に関しては、少なくとも5日移動平均線を上回るまでは、下値模索が続くと考えています。来週も、慎重な運用スタンスで相場に臨むことをお勧めします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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