関東財務局長(金商)第1756号
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2022年8月5日

相場の見立て・展望(8月5日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
8月2日の東京外国為替市場で円相場は4日続伸しました。2日17時時点は1ドル=130円78~80銭と、前日の同時点に比べ1円77銭の大幅な円高・ドル安となりました。ISMが1日発表した7月の米製造業景況感指数が2020年6月以来の低水準となったことで、日本時間2日の取引で米金利が低下し、日米金利差の縮小を見込んだ円買い・ドル売りが優勢となった結果です。また、ペロシ米下院議長が台湾を訪問するとの報道を受け、米中関係や台湾情勢を巡る緊張が高まると警戒が強まったことも、ドル売り要因となりました。

この急激な円高を受け、2日の日経平均は大幅反落し、終値は前日比398円62銭(1.42%)安の27594.73円でした。円高・ドル安で、輸出採算が悪化するとの見方から自動車株や機械株が売られました。

しかしながら、円高は続きませんでした。8月2日に、FRB高官のタカ派発言が相次ぎ、日米金利差の縮小期待が後退し、ドルが円に対して買い戻されたからです。具体的には、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は、(市場でFRBが秋以降に利上げペースを緩め、来年前半にも利下げに転じるとの観測が広がったこと)について、「市場の見方に困惑させられている。データのどこを見ているのか私にはわからない。」と述べました。また、クリーブランド連銀のメスター総裁は、「インフレの状況は転換しておらず、我々のやるべき仕事はまだある。インフレがピークを過ぎたという持続的な証拠が数カ月間必要だが、我々はまだそれすら見ていない。」と指摘しました。そして、シカゴ連銀のエバンズ総裁は、「状況が本当に改善しないなら0.5%の利上げは理にかなっている。0.75%でもOKだろう。」と、9月のFOMCで0.75%の利上げを決める可能性を認めました。

このような状況下、日本時間8月5日21時30分に発表される雇用統計が注目されています。ちなみに、7月の非農業部門の雇用者数は前年比25万8000人程度の増加と6月の37万2000人増から伸び悩み、平均時給は前年同月比での伸び率縮小が見込まれているようです。ですが、7月の雇用統計が相当下振れしない限り、FRB高官のタカ派スタンスに変化は生じないと考えます。よって、8月2日のような一時的、且つ、急激な円高は、想定外の事象が発生しない限り、起こりにくいとみています。つまり、円安・ドル高基調は継続する見通しです。

ただし、8月4日の米10年物国債利回りは前日比0.01%低い2.69%と、3%大台を大幅に割り込んでいます。高止まりするインフレ抑制を目的とした、主要中央銀行の積極的な金融引き締めで世界景気が減速するとの懸念から相対的に安全資産とされる米国債に買いが入っているためです。つまり、現状は、米長期金利が急ピッチに上がる状況ではないため、急ピッチなドル高・円安も起こりにくいでしょう。よって、ドル・円相場は現在の円安水準で安定的に推移(膠着)する見通しです。これは、当面の日本株にポジティブな材料と考えます。

とりわけ、米長期金利の低位安定は、株価指標で割高とされる高PERのグロース株への好材料です。よって、東京株式市場でも、当面は「東証グロース市場」の高成長期待株に注目するべきとみています。また、前回も当コラム指摘しましたが、「良好な投資環境は続き、サマーラリーも続くはずです。積極的な市場参加をお勧めします。」との見方も不変です。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

 
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