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2022年8月12日

相場の見立て・展望(8月12日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
前回当コラムで、“前回も当コラム指摘しましたが、「良好な投資環境は続き、サマーラリーも続くはずです。積極的な市場参加をお勧めします。」との見方も不変です。”としましたが、この見方は、8月12日通常取引終了時点でも不変です。なぜならば、米国経済が良好で、外国為替市場での円安基調に変化がないとみているからです。

まず、8月5日発表の7月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比52.8万人増と市場予想の2倍でした。失業率は3.46%で、1969年5月以来、53年ぶりの低さでした。平均時給の伸び率は前年同月比5.2%と市場予想の4.9%を上回りました。また、8月10日発表の7月のCPIは前年同月比8.5%上昇しました。ガソリン価格が前月から下がり、伸び率は約40年半ぶりの大きさだった6月の9.1%から縮小しました。ちなみに、市場予想は8.7%の上昇でした。エネルギーと食品を除く指数の上昇率は前年同月比5.9%で前月から横ばいでした。予想は6.1%の上昇でしたので、こちらも市場予想を下回りました。そして、ニューヨーク連銀が8月8日発表した7月の月次調査ではガソリンの値下がりを反映して、消費者が予想する1年先と3年先の物価上昇率が低下しました。

このように、米労働市場が堅調で、インフレがピークアウトしつつあります。この状況は、米国株式市場への強烈な追い風になっているとみています。

ただし、物価上昇率がFRBの目標である2%まで下がるペースは鈍くなる見通しです。なぜならば、ガソリンなどの商品価格と違い、家賃や外食の価格など、「モノやサービスの価格」の上昇は一度速まると下がりにくいとされているからです。このため、米サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は8月11日、インフレについて「多少の改善は見られるが、勝利ではない」と語り、次回9月のFOMCでの利上げ幅を0.50%にするのが適切との認識を示しつつも、0.75%の利上げに関しても「オープンマインド」と述べて、含みを持たせたそうです。

つまり、インフレが緩やかにピークアウトする中、FRBが政策金利を適切に引き上げる見通しです。当然のことながら、外国為替市場では、日米金利差に着目した「ドル買い・円売り」が続くでしょう。この円安基調は、我が国外需系企業の収益にポジティブに寄与します。そしてそれは、日本株の押し上げ要因となるでしょう。

実際、8月12日の日経平均は前日比727.65円(2.62%)高の28546.98円と、1月12日の28765.66円以来の高値で取引を終えています。テクニカル的には、5日移動平均線(12日現在28158.28円)、25日移動平均線(同27486.71円)、75日移動平均線(同26999.00円)、100日移動平均線(同27092.11円)、200日移動平均線(同27548.06円)全て上回っています。短期・中期・長期の上昇トレンドが発生しつつあるとみています。投資環境は極めて良好です。「サマーラリー」を存分に楽しみ、投資収益の拡大を目指すことを、引き続きお勧めします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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