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2022年9月22日

相場の見立て・展望(9月22日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
前回当コラムで、“「日経平均が終値で5日移動平均線を下回り、且つ、5日移動平均線自体が下向き」の時は、7月1日の25841.75円下限を目指すことになるとみています。通常の相場よりも、資金管理を厳格にして、相場が急落しても致命的なダメージを被らないようにして、相場に臨んでください。”としました。そして、9月22日現在、「日経平均が終値で5日移動平均線を下回り、且つ、5日移動平均線自体が下向き」の状態です。引き続き、「まずは生き残れ!儲けるのはそれからだ!」を前提にしたスタンスで、相場に臨むことをお勧めします。

なお、9月22日の日経平均の終値は前日比159.30円(0.58%)安の27153.83円と、続落しました。5日移動平均線(22日現在27519.79円)、25日移動平均線(同28062.51円)、75日移動平均線(同27504.67円)、100日移動平均線(同27330.55円)、200日移動平均線(同27390.23円)全て下回っています。チャートは著しく悪化しています。

9月22日の日経平均の下落の背景は、前日の米国株の大幅安でした。そして、米国株安の主因は、21日のFOMC後のパウエルFRB議長の記者会見が、想定以上にタカ派的内容だったことで、投資家心理が冷やされたためです。ちなみにFRBは、21日のFOMCで0.75%の利上げを決めました。また、FOMCメンバーの政策金利見通し(ドット・チャート)については、2022年末時点で適切と考える政策金利の水準は中央値で4.375%と、前回6月の3.375%から1%上方修正されました。また、2023年末は4.625%と前回の3.75%から上方修正されました。

そして、記者会見で議長は、「インフレを2%に戻すことを決意し、やり終えるまで続ける」、「インフレ抑制には継続的な期間にわたり経済成長がトレンドを下回り、労働市場がある程度緩む必要があるだろう」、「ソフトランディングは難しくなってきた」、「住宅市場には引き続き調整が必要、価格下落は良いこと」などと述べました。この記者会見を受け、21日のNYダウは続落し、前日比522.45ドル(1.70%)安の30183.78ドルでした。また、ナスダック総合株価指数も続落し、同204.86ポイント(1.79%)安の11220.19ポイントでした。

一方、日銀は9月21~22日に開いた金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の維持を決めました。短期の政策金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度で推移するよう誘導するイールドカーブ・コントロール方針を据え置きました。10年物国債を0.25%の利回りで無制限に買い入れる「指し値オペ」を原則、毎営業日実施する方針も維持しました。これを受け、22日の東京外国為替市場で、円は一時1ドル=145円40銭近辺に急落して1998年8月以来、およそ24年ぶりの安値を更新する場面がありました。このような日米金融政策の違いを主因にした円安基調は、日本株にポジティブなため、日本株は米国株に対して、相対的に強い動きを続ける見通しです。

ですが、米国株が今後急落するようだと、流石に日本株も大きな影響を受けるはずです。ちなみに、米国では、例年10月~11月は、ファンドからの「タックスロス・セリング(節税売り)」が出易いことが知られています。また、11月8日には中間選挙が行われます。だからこそ、10月の米国株式相場の動向は警戒しておくべきと考えています。当面は、防御力重視のスタンスで、秋の波乱相場を乗り切ることが賢明な投資判断だと思うので、是非、参考にしてみてください。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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