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2022年10月28日

相場の見立て・展望(10月28日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
前々回の当コラムから日経平均に関して、“10月3日の25621.96円が1番底、6日の27399.19円がネックライン、そして、13日の26237.42円が2番底になったとみています。よって、今後もリバウンドの継続を想定しています。当面のターゲットは9月13日の28659.76円です。なお、逆に26237.42円を割り込むようだと、当然のことながらシナリオは完全に変更します。“としました。この見方を3週連続で継続します。

それにしても、米国ではGAFAMの悪決算の影響でナスダック市場が非常に弱い動きとなっています。

まず、マイクロソフトが25日発表した7−9月(第1四半期)決算では、増収率が5年ぶりの低水準となりました。ドル高や「ウィンドウズ」販売の落ち込みが響きました。次に、グーグルの親会社アルファベットが25日発表した7−9月(第3四半期)決算では、売上高と利益が市場予想を下回りました。検索広告事業もデジタル広告市場減速の影響を免れないことを示しました。そして、メタ・プラットフォームズが26日に示した10−12月(第4四半期)売上高見通しはアナリスト予想の下限付近にとどまりました。景気減速の中で広告市場の低調さに引き続き苦戦していることを示唆しました。さらに、アマゾン・ドット・コムが27日に示した10−12月(第4四半期)売上高見通しはアナリスト予想を下回りました。経済の先行き不透明で消費者は支出を控え、アマゾンは事業の伸び鈍化に直面しています。とどめは、アップルが27日発表した7−9月(第4四半期)決算は、売上高、利益とも市場予想を上回ったものの、iPhoneの売上高が予想を下回りました。

ですが、注目度の高かったGAFAMの決算発表を通過したことで、ナスダックに関しては、当面の悪材料出尽くしになる可能性は高いとみています。そうは言っても、万が一、GAFAMが下げ止まらないと、ナスダックの調整は続くことになってしまうため、来週以降については、GAFAMの株価動向に今まで以上に注意を払っておく必要があるでしょう。

その一方で、確かにナスダックの軟調さは際立っていますが、NYダウやS&P500は底堅い動きを続けているため、米国株全体の先行きに関しては、過度に悲観する必要はないとみています。

また、米長期金利がピークアウトして4%を割り込んできたことも、米国株全体の下支え要因です。ちなみに、10月27日の米10年物国債利回りは前日比0.08%低い3.92%で取引を終えました。この日発表された米GDP(速報値)は前期比年率2.6%増と3四半期ぶりのプラス成長となり、市場予想の2.3%増を上回ったものの、純輸出の増加が全体を押し上げた影響が大きかったです。そして、個人消費は1.4%増と4〜6月期の2.0%から減速しました。また、FRBが重視する物価指標の個人消費支出(PCE)デフレーターのエネルギー・食品を除くコア指数も4.5%上昇と2四半期連続で伸び悩みました。

つまり、米国では、内需が減速し、インフレが伸び悩んでいます。よって、FRBの利上げピッチ鈍化が見込める状況になっています。これは当面の米株式市場への追い風です。

最期に日経平均についてですが、10月28日の日経平均は前日比240.04円(0.88%)安の27105.20円と、4日ぶりに反落しました。25日移動平均線(28日現在26830.68円)は上回っています。一方、5日移動平均線(同27221.49円)、75日移動平均線(同27550.66円)、100日移動平均線(同27343.79円)、200日移動平均線(同27186.11円)全て下回っています。チャートは悪化したままです。ですが、25日移動平均線を上回っていることを根拠に、10月13日の26237.42円を起点としたリバウンドが継続中ということを、メインシナリオにしておきたいと思います。

なお、25日移動平均線を割り込むケースでは最大で10月13日の26237.42円まで調整は覚悟するべきとも考えています。繰り返しますが、26237.42円を割り込むまでは「強気シナリオ」を維持したいと考えています。よって、それまでは「押し目買いを徹底した上での、積極的な市場参加」を引き続きお勧めします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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