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2022年11月4日

相場の見立て・展望(11月04日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
FOMCの結果を受けた11月2日の米株式市場は急騰後、急落しました。FRBは、FF金利の誘導目標を0.75%引き上げ、3.75~4.0%に変更しました。通常の3倍にあたる0.75%の引き上げは4会合連続でした。声明では「委員会は金融政策の累積的な引き締め効果、金融政策が経済活動やインフレに影響を与える際のラグ、および経済・金融状況を考慮する」との文言を付け加えました。

この付け加えられた部分に、投資家は「買い」で即反応し、相場は急騰しました。利上げペースが緩められるとの期待が高まったからです。しかしながら、FOMC後の記者会見で、パウエル議長は「利上げ停止を議論するのは時期尚早」、米労働市場の強さやインフレなどを背景に「ターミナルレートは9月会合で示した水準より高くなるかもしれない」などと発言し、早期の利上げ停止を否定しました。このタカ派的な議長発言に、多くの投資家は失望し、結局、株式相場は急落しました。

具体的は、議長の記者会見があった2日のNYダウは3日続落し、前日比505.44ドル安の32147.76ドルでした。ナスダック総合株価指数も3日続落し、同366.049ポイン安の10524.797ポイントでした。翌3日のNYダウは4日続落し、前日比146.51ドル安の32001.25ドルでした。そして、ナスダック総合株価指数も4日続落し、同181.856ポイント安の10342.941ポイントでした。

3日の株式相場の下落に関しては、米金利高が嫌気されました。3日の米10年物国債利回りは前日比0.05%高い4.15%でした。朝方に一時4.22%に上昇する場面がありました。また、金融政策の影響を受けやすい2年債利回りは前日比0.08%高い4.71%でした。一時は4.74%と2007年7月以来の高水準をつける場面がありました。この金利高が、高PERのハイテク株の売り材料となりました。

ちなみに、米国に関しては、4日の9月の雇用統計、8日の中間選挙、10日の9月のCPIと、重要イベント・指標発表が目白押しです。このため、10日のCPI発表通過までは、米国株式市場は不安定な動きになる見通しです。

一方、日経平均に関しては、10月3日の25621.96円が1番底、6日の27399.19円がネックライン、そして、13日の26237.42円が2番底になったとみています。想定を超えるような米国株の下落が実現しない限り、26237.42円を割り込むことはないという展開がメインシナリオです。想定外の下落が起きるとしたら、米金利が上昇を続けるケースでしょう。

ところで、11月4日の日経平均は27199.74円と、5日移動平均線(4日現在27446.94円)、75日移動平均線(同27602.10円)、100日移動平均線(同27321.68円)を下回っています。25日移動平均線(同26982.61円)、200日移動平均線(同27164.15円)は上回っているとはいえ、チャートは良好とは言い難い状況です。それでも完全に崩れたわけはないので、10月13日の26237.42円を起点としたリバウンドは、依然として続いているということを、メインシナリオにしておきたいと思います。

ただし、25日移動平均線及び200日移動平均線共に、割り込むケースでは最大で10月13日の26237.42円まで調整は覚悟するべきでしょう。確かに、米金利上昇・米国株安と、外部環境はやや悪化してはいますが、日銀が大規模金融緩和を続け、円安メリットもあるため、日本株の下値は堅いと考えます。「押し目買い・噴き値売り」を基本戦略に、今後も、積極的な市場参加をお勧めします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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