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2022年11月18日

相場の見立て・展望(11月18日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
前回当コラムで、日経平均について「10月13日の26237.42円を起点としたリバウンドは、依然として続いているということを、メインシナリオにしておきたいと思います。」としましたが、今回は、「10月13日の26237.42円を起点としたリバウンドは、11月11日の28329.54円でいったん終了した可能性が高い。押し目メドは最大で200日移動平均線。」に、メインシナリオを変更します。このシナリオ変更は、FRBによる利上げの減速観測が後退したことが主因です。

具体的には、セントルイス連銀のブラード総裁は11月17日の講演で、「講演原稿では自身が支持する具体的な水準に言及していませんが、総裁はチャートを示しつつ、十分抑制的な政策金利について5-7%程度になる可能性があると説明した」そうです。ちなみに、政策金利である「フェデラルファンド(FF)金利」の誘導目標レンジは現在3.75-4%です。これを受け、17日の米10年物国債利回りは前日比0.07%高い3.76%で取引を終えました。一方、米国株式市場では、17日のNYダウは続落し、前日比7.51ドル安の33546.32ドルでした。また、ナスダック総合株価指数も続落し、同38.701ポイント安の11144.958ポイントでした。金融引き締めが長期化するとの見方が強まった結果、リスクアセットである株式が売られたのです。

前回当コラムで「金融市場が楽観ムード一色になるようだと、冷や水を浴びせるようなFRB高官からの発言が飛び出すことは、今後も十分あり得ると警戒はしておきましょう。」と指摘しましたが、当面の米国株式市場は、このようなことは度々発生すると思います。

この米国株安を受けた、11月18日の日経平均は前日比30.80円(0.11%)安の27899.77円と、小幅ながら続落しました。5日移動平均線(18日現在27962.46円)を下回っています。一方、25日移動平均線(同27482.11円)、75日移動平均線(同27639.47円)、100日移動平均線(同27462.06円)、200日移動平均線(同27160.08円)全て上回っています。チャートは良好です。ただし、18日に5日移動平均線が下向きに転換しました。これが短期の調整入りのサインとみています。よって、最大で200日移動平均線までの押し目形成を想定します。その一方で、5日移動平均線が再度上向きに転じて、安定して上昇するならば、それは短期調整の終了のサインとなり得るともみています。

ただし、10月の米CPIの伸び率が市場予想を下回り、米金融市場ではインフレのピークアウト観測が強まっています。その結果、米国の長期金利の上昇は一服して、足元の米10年物国債利回りは4%を下回って推移しています。つまり、外部環境は大幅に改善しています。また、日銀が大規模金融緩和を続けているにもかかわらず、「悪い円安」も一服しています。このため、日米株式市場共に、当面は、大幅な下落は発生しない可能性が高いとみています。現時点で想定している調整は、あくまでも、テクニカル的な調整を想定しています。このため、「押し目買い・噴き値売り」を基本戦略にした上で、積極的な市場参加を引き続きお勧めします。なお、物色に関しては、米長期金利上昇を主因に、ここまで売り込まれてきたグロース株のリバウンドを狙うべきと考えています。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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