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2022年12月16日

相場の見立て・展望(12月16日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
FRBは、12月13~14日に開いたFOMCで、政策金利のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.5%引き上げ4.25~4.5%に変更しました。2023年末時点で適切と考えるFF金利の誘導目標の中央値は5.125%(5.00~5.25%)と、前回予想を開示した9月会合の4.625%(4.50~4.75%)から引き上げました。一方、景気を冷やしもふかしもしない中立金利に当たる長期的な政策金利は2.5%と前回と同水準でした。パウエルFRB議長は、FOMC後の記者会見で、「利上げ継続が適切」と主張し、景気を犠牲にしてでもインフレ抑制を最優先とする考えを改めて示しました。

FOMCでの決定内容や議長発言などは、正直なところ、市場の事前の想定の範囲内だと思っていました。しかしながら、12月15日のNYダウは続落し、前日比764.13ドル(2.25%)安の33202.22ドルでした。また、ナスダック総合株価指数も続落し、同360.36ポイント(3.23%)安の10810.53ポイントでした。FOMC後の株式市場では、FRBによる金融引き締め継続が景気後退(リセッション)を招くとの警戒感が強まり、景気敏感株やハイテク株など幅広い銘柄に売りが出ました。この日は、11月の米小売売上高が前月比0.6%減と市場予想の0.3%減より悪化したことも悪材料視されました。

ちなみに、米著名コメンテーターのジム・クレイマー氏は、15日のCNBC番組で、「投資家はFRBがあなたの友人ではなく、どちらかといえば敵であることを学ばなければならない」、「(パウエルFRB議長について)物価をこの水準で安定させるだけでなく、ここ数年の上昇を巻き戻したいのだと明確に語っている」と指摘したそうです。FOMC後の米国株式市場は、まさに、ジム・クレイマー氏の指摘した通りの動きとなっています。

ですが個人的には、15日発表の11月の米小売売上高が市場予想からの下ブレしたことが、株式市場で嫌気されたことは、やや意外でした。というのは、これまでは、「消費低迷→景気悪化→インフレ圧力低下→FRBのタカ派姿勢の軟化→早期の金融引き締め解除」という連想から、冴えない景気指標発表後の米国株は上がったことが多かったからです。つまり、この日は久しぶりに、景気の悪いニュースが株式相場にも悪いニュースになったのです。このため、今後は、発表されるマクロ経済指標がコンセンサスから下振れしたら、リセッションを警戒した投資家からの売りで、米国株は下がる可能性が高いとみておく必要がありそうです。

このような外部環境の悪化を受け、16日の日経平均は前日比524.58円(1.87%)安の27527.12円でした。また、マザーズ総合指数は同11.61ポイント(1.48%)安の774.83ポイントでした。大型株も中小型株も軟調でした。今後の日経平均に関しては、200日移動平均線(16日現在27240.91円)を割り込むと、調整が長期化することになるとみています。マザーズ総合指数に関しては、16日に日足ベースで窓を空けて下落し、25日移動平均線(16日現在786.61ポイント)を割り込みました。また、5日移動平均線(同784.32ポイント)と25日移動平均線とがデッドクロスしました。チャート形状が悪化し、需給が大幅に悪化したとみています。

以上述べてきたように、投資環境が悪化しています。日米株式市場共に、大荒れの展開となり、「クリスマスショック」が発生した、2018年12月の雰囲気と似てきたように感じています。こんな状況ですから、兎に角、チャートが綺麗で、需給良好で、「強い値動きの銘柄(今後のIPO銘柄も含む)」だけを弄ることを、引き続き強くお勧めします。同時に、著名投資家のジョージ・ソロス氏の『まず生き残れ。儲けるのはそれからだ。』との言葉を噛み締めて相場に臨むようにしてください。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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