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2022年12月23日

相場の見立て・展望(12月23日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
日銀は12月20日の金融政策決定会合で長期金利の上限を0.25%程度から0.5%程度に引き上げました。アベノミクスの象徴だった異次元緩和は、遂に10年目で転換点に差し掛かりました。それにしても、黒田総裁ら日銀幹部がつい最近まで、長期金利の上限引き上げは「事実上の利上げ」として否定的に語っていたにもかかわらず、突然の政策変更でした。市場にとっては、まさに「寝耳に水」、「青天の霹靂」で、完全に不意を突かれました。

突然の決定を受け、市場は大きく動きました。まず、10年物金利は20日、一時0.460%と7年5カ月ぶりの高水準に急騰しました。また、20日の外国為替市場で円相場が安値から7円近く急伸し、NY市場では一時1ドル=130円台半ばと4カ月半ぶりの高値を付けました。そして、20日の日経平均は大幅に4日続落し、終値は前日比669.61円(2.46%)安の26568.03円で、10月13日以来およそ2カ月ぶりの安値水準を付けました。

今回の日銀の政策変更を受け、足元の日本株は軟調に推移しています。23日の日経平均は前日比272.62円(1.03%)安の26235.25円でした。また、マザーズ総合指数は同14.46ポイント(2.00%)安の707.23ポイントでした。大型株も中小型株も軟調でした。今後の日経平均に関しては、200日移動平均線(23日現在27244.54円)を割り込んだので、調整が長期化することになるとみています。戻り限界は25日移動平均線(同27685.08円)を想定しています。

一方、マザーズ総合指数に関しては、23日に日足ベースで窓を空けて下落し、200日移動平均線(同719.60ポイント)を割り込みました。また、下降を続ける5日移動平均線(同728.07ポイント)が、25日移動平均線(同776.37ポイント)、75日移動平均線(同747.02ポイント)、100日移動平均線(同743.54ポイント)全てを下抜きました。短期・中期・長期のチャート形状が悪化したため、需給が大幅に悪化したとみています。こちらも、戻り限界は25日移動平均線を想定しています。

このように、投資環境が大幅に悪化しています。本当に、「クリスマスショック」が発生した、2018年12月の雰囲気と似てきています。当面の間は、チャートが綺麗で、需給が良好で、「強い値動きの銘柄(今後のIPO銘柄も含む)」だけを保有し、著名投資家のジョージ・ソロス氏の『まず生き残れ。儲けるのはそれからだ。』との言葉を常に噛み締めて相場に臨むようにしてください。また、損失を取り返すべく、身の丈を超えたロットでの無理な勝負は厳に慎んでください。今のような投資環境では、資金管理を通常よりも厳格し、リスクを可能な限り抑えて、防御重視のスタンスで対応するべきだと思うからです。

なお、年内受け渡し最終日は12月28日です。この日までは、個人からの節税売りが出続ける見通しです。しかしながら、29日以降は、個人の関与率の高い銘柄に関しては需給が改善することでしょう。このため、29日と大納会は、個人の関与率の高い銘柄のリバウンドを期待しています。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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