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2023年1月6日

相場の見立て・展望(1月6日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
新年明けましておめでとうございます。旧年中は、格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。本年が読者の皆様にとって、輝かしい年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

さて、2023年の東京株式市場は、残念ながら冴えないスタートを切りました。1月4日大発会の日経平均は大納会比377.64円(1.45%)安の25716.86円と、大幅に反落しました。これは、2022年3月15日の25346.48円以来9カ月半ぶりの安値でした。翌5日は同103.94円(040%)高の25820.80円、さらに、6日は同153.05円(0.59%)高の25973.85円と続伸しました。続伸したとはいえ、大納会の終値26094.50円は下回っています。

年初の日経平均が冴えない動きとなっている主因は、「円高」と「米国の長期金利上昇&ハイテク株安」の2つです。

まず、円高については、1月3日の外国為替市場で円が対ドルで上昇し、一時1ドル=129円台半ばと、2022年6月上旬以来7カ月ぶりの円高・ドル安水準を付ける場面がありました。これは、12月31日の「日銀は1月に示す消費者物価指数(生鮮食品を除く=コアCPI)の前年度比上昇率の見通しを前回(10月時点)から上方修正する検討に入った。」との報道に反応した結果です。ちなみに、日銀は1月17~18日に金融政策決定会合を開き、会合後に公表する「展望リポート」で物価や景気に対する委員の見通しを示します。

なお、6日昼頃には、円は1ドル=133円台後半まで売られました。米国で5日発表された2022年12月のADP全米雇用リポートで、非農業部門の民間雇用者数の伸びが前月比23万5000人と市場予想の15万3000人を上回りました。これを受け、FRBの金融引き締めが長期化するとの観測が強まりました。このため、米長期金利が上昇し、日米金利差の拡大を見込んだ円売り・ドル買いが優勢となったのです。

そして5日、米国の長期金利の指標となる10年物国債利回りは前日比0.03%高い3.72%で取引を終えました。一時3.78%に上昇する場面がありました。この米長期金利上昇を嫌気する格好で、5日のナスダック総合株価指数は反落し、前日比153.521ポイント安の10305.241ポイントで取引を終えたのです。

ただし、日本時間6日14時48分ごろ、「(日銀関係筋)日銀はイールドカーブコントロール(YCC)の再修正は急がない。12月決定の影響と効果を見極める」と伝わり、円はさらに下落し、1ドル=134円台まで売られる場面がありました。一方、株式市場では、これまで利ざや改善期待で買われていた銀行株が売られました。このように昨年12月の政策決定会合以降、外国為替市場も、東京株式市場も、日銀の一挙手一投足に過敏に反応するようになっています。

それはさておき、1月6日の日経平均は25973.85円でした。5日移動平均線(6日現在25939.94円)を上回りました。一方、25日移動平均線(同27049.39円)、75日移動平均線(同27241.34円)、100日移動平均線(同27503.94円)、200日移動平均線(同27271.74円)全て下回っています。今後、「5日移動平均線自体が上向きに転じる」ならば、12月14日の28195.69円からの調整は、1月4日の25661.89円で一巡し、本格的なリバウンド入りするとみています。その場合、下げ幅は2533.80円となります。38.2%戻しの26629.80円や、半値戻しの26928.79円あたりが戻りメドとみています。その一方で、再び5日移動平均線を割り込むようだと、まずは1月4日の25661.89円とのダブルボトム形成をイメージしています。

いずれにせよ、2023年も2022年同様、日米株式市場共に「ベアマーケット」が続くことを前提に、相場に臨むことをお勧めします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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