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2023年1月27日

相場の見立て・展望(1月27日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
FRBのウォラー理事が1月20日の講演で「次回のFOMCで0.25%の利上げを望む」と述べました。また、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は22日、FRBが1月31日〜2月1日に開くFOMCで「今春に利上げを停止するために労働需要や支出、インフレの鈍化がどの程度必要かを検討し始める可能性がある」と報じました。このため、FRBの利上げが最終局面に入り、利上げ停止が近いとの期待が高まっています。利上げ停止で金利上昇に歯止めがかかれば、高PERのハイテク株の割高感が薄れるため、米国ではグロース株が買われ易くなっています。

一方、米商務省が26日発表した2022年10~12月期の米実質GDP速報値は前期比年率2.9%増と、市場予想の2.8%増を上回りました。このため足元では、米国経済のソフトランディング期待が高まっています。確かに、モルガン・スタンレーやウェルズ・ファーゴ証券のエコノミストは「景気悪化は23年1~3月期以降」とみて、市場のぬか喜びに警鐘を鳴らしているようです。しかしながら、現時点では楽観論が優勢のようです。このため、当面の米国株式市場では、リスクオンムードが継続することでしょう。

ところで、春節(旧正月)連休明け26日の香港株式市場では、ハンセン指数の終値は前営業日比522.13ポイント(2.36%)高の22566.78ポイントと、大幅に続伸し、2022年3月初め以来およそ11カ月ぶりの高値を付けました。「ゼロコロナ」政策終了後、初の春節で、中国本土で連休期間中の観光やエンタメ関連の消費回復を伝える報道が相次ぎ、投資家心理が改善したことが主因です。これは我が国の中国関連銘柄にもポジティブな材料です。

さらに、国内では、政府が新型コロナウイルスの感染症法上の分類を、大型連休明けの5月8日に、季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行する方針を固めました。変更後は感染者や濃厚接触者らの待機期間は撤廃され、医療は段階的に通常の体制に移ります。また、マスクの着用ルールも変わる見通しです。屋内での着用を原則不要とする考え方を示すことを検討しているとのことです。コロナ対応が社会経済の正常化に向けて大きな節目を迎える見通しになったことは、日本株全体にとって追い風と言えそうです。

それはさておき、1月27日の日経平均は27382.56円でした。5日移動平均線(27日現在27269.11円)、25日移動平均線(同26450.88円)、75日移動平均線(同27194.30円)、100日移動平均線(同27236.84円)、200日移動平均線(同2722017円)全て上回っています。今後については、「5日移動平均線を下回り、且つ、5日移動平均線自体が下向き」の状況にならない限り、日経平均は堅調に推移すると考えてます。逆に、「5日移動平均線を下回り、且つ、5日移動平均線自体が下向き」となるケースでは、まずは25日移動平均線を目指すとみています。

なお、FRBがタカ派姿勢をやや軟化させているため、日米株式市場共に「ベアマーケットラリー(相場下落途中の一時的な上昇局面)」が、暫く続くとみています。よって、目先は、足元で発生中のリバウンドに素直に乗ることをお勧めします。もちろん、日経平均の短期チャートが悪化したら、再び「慎重スタンス」に転じることは忘れないでください。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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