投資顧問会社の株式会社G&Dアドヴァイザーズが運営するWebサイト

株式会社G&Dアドヴァイザーズ
関東財務局長(金商)第1756号
一般社団法人 日本投資顧問業協会 会員番号第012-02487号

営業時間 平日 8:30~18:00

03-6417-4257

2023年2月3日

相場の見立て・展望(2月3日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
2月1日のFOMCでは、市場の大方の予想通り0.25%の利上げが決まりました。FOMC後の記者会見で、パウエル議長は「あと複数回利上げを議論することになる」と述べた一方で、「ディスインフレのプロセスが始まった」とも述べました。確かに、これまでのFRBによる急激な金融引き締めの影響で、先行きの米国景気が後退するとの懸念が燻り続けていますが、今回のパウエル氏「ハト派的な発言」を手掛かりに、市場では、3月の利上げ打ち止め観測が強まっています。

このため、2月2日の米長期債相場は3日続伸し、10年物国債利回りは前日比0.03%低い3.39%で取引を終えました。この日は、ラガルド総裁が2日の記者会見で「(インフレ見通しのリスクは)短期的にはバランスが取れてきている」との認識も示したことで、ECBが思ったほど「タカ派的ではない」との見方が広がり、欧州国債利回りが低下し、これに連れて米国債も買われました。ただし、ECBは2日の理事会で、2会合連続となる0.5%の大幅利上げを決め、声明文で次回3月も「0.5%の利上げをするつもりだ」と盛り込み、保有資産の削減に向けた具体策を協議しています。それでも、欧州に関しても、想定より早く金融引き締めが終了する可能性があるとの期待が強まっています。

このような状況を受け、2月2日のNYダウは3日ぶりに反落し、前日比39.02ドル(0.11%)安の34053.94ドルでした。一方、ナスダック総合株価指数は大幅に3日続伸し、同384.50ポイント(3.25%)高の12200.82ポイントでした。長期金利低下を受けてハイテク株・グロース株が買われた一方で、ディフェンシブ株が売られたため、NYダウの上値は重く、ナスダックは大幅高となりました。日経平均は電機・ハイテク株指数の色彩が強いため、この米国での物色傾向は、日経平均への追い風と考えてよいでしょう。

なお、2月3日の日経平均は27509.46円でした。5日移動平均線(3日現在27403.78円)、25日移動平均線(同26652.26円)、75日移動平均線(同27244.66円)、100日移動平均線(同27220.53円)、200日移動平均線(同27226.09円)全て上回っています。今後については、「5日移動平均線を下回り、且つ、5日移動平均線自体が下向き」の状況にならない限り、日経平均は堅調に推移すると考えを継続します。一方、「5日移動平均線を下回り、且つ、5日移動平均線自体が下向き」となるケースでは、まずは25日移動平均線を目指すとの見方も不変です。

いずれにせよ、FRB及びECBがタカ派姿勢をやや軟化させているため、当面の日米欧の株式市場は堅調に推移するとみています。よって、目先は、「押し目買い・噴き値売り」を基本に、積極的な市場参加をお勧めします。もちろん、日経平均のチャートが悪化したら、再び「慎重スタンス」に転じることは決して忘れないでください。最近の値動きからは、75日移動平均線が強力なサポートとして意識されているように感じていますので、75日移動平均線を終値で割り込んだら、ディフェンス重視の運用スタンスに切り替えることもお勧めします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

一覧に戻る

ヘルプ

当サイトに多く寄せられるご質問を項目ごとにまとめました。各種サービスについてもご案内しています。

質問と回答一覧

お問い合わせ

ヘルプで解決できない問題や、直接サポートセンターとやり取りをしたい場合はこちらをご利用ください

お問い合わせ