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2023年2月10日

相場の見立て・展望(2月10日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
ここ最近の日米株式市場は、「強い日本株・弱い米国株」という構図で、「デカップリング」しているように感じています。一方、日本株は円相場との連動性が高まっています。円が対ドルで下落(円安)すれば日本株は堅調で、上昇(円高)ならば調整するといった具合です。これは、円安傾向になれば、海外投機筋による日経平均先物への買いが、日経平均の現物指数を押し上げているためでしょう。

まず、弱い米国株ですが、2月9日のNYダウは続落し、前日比249.13ドル安の33699.88ドルでした。また、ナスダック総合株価指数も続落し、同120.941ポイント安の11789.579ポイントでした。この日は長期金利の上昇が嫌気されました。長期金利の指標となる10年物国債利回りは前日比0.07%高い3.66%で取引を終えました。前日8日にFRBのウォラー理事らが利上げ継続の必要性を主張し、リッチモンド連銀のバーキン総裁が「インフレはピークを越えたようだがいまだに高いままだ。引き締め路線を継続する根拠となる」と述べたと9日に報じられるなど、強い1月の米雇用統計を受けて、FRB高官から「タカ派的な発言」が相次いでいるのです。このため、長期金利が上昇基調を維持し、且つ、FRBの早期利上げ停止や利下げ転換の観測が大幅に後退し、米国株の上値が重くなっているのです。

ですが、外国為替市場では、米長期金利の上昇を受け、日米金利差の拡大を手掛かりとした円売り・ドル買いが優勢になっています。そして、この円安こそが、強い日本株の主たる要因なのです。

ところで、日本経済新聞電子版は10日、政府が日銀の黒田東彦総裁の後任に経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏を起用する人事を固めたと報じました。植田和男氏は、1999年にゼロ金利政策に初めて踏み切った速水優氏が総裁だった1998〜05年に日銀審議委員を務めた方です。また、副総裁には内田真一理事、氷見野良三前金融庁長官を起用するとも伝わっています。報道によれば、政府は人事案を2月14日に国会に提示します。この人事案の観測報道を受けて、今後、内外の金融市場がどのような反応を示すかに要注意です。

また、日本時間2月14日22時30分に予定されている「米国消費者物価指数(CPI)」発表時において、発表数値が市場コンセンサスから大きく異なった場合も、金融・外国為替市場が大きく変動することが予想されます。このイベントにも警戒が必要です。

なお、2月10日の日経平均は27670.98円でした。5日移動平均線(10日現在27648.18円)、25日移動平均線(同26979.24円)、75日移動平均線(同27286.71円)、100日移動平均線(同27194.27円)、200日移動平均線(同27246.08円)全て上回っています。今後については、「5日移動平均線を下回り、且つ、5日移動平均線自体が下向き」の状況にならない限り、日経平均は堅調に推移すると考えは不変です。一方、「5日移動平均線を下回り、且つ、5日移動平均線自体が下向き」となるケースでは、まずは25日移動平均線を目指すとの見方も変えていません。

結論として、日経平均のチャートが悪化するまでは、積極的な市場参加をお勧めします。ただし、来週は重要イベントを控えているため、地合いが急変する可能性は決して低くはありません。このため、日経平均のチャートが悪化したら、躊躇することなく、「慎重スタンス」に転じて、ディフェンス重視の運用スタンスに切り替えることもお勧めしておきます。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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