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2023年2月24日

相場の見立て・展望(2月24日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
次期日銀総裁候補の植田和男氏への所信聴取が2月24日午前中に、衆院で開かれました。副総裁候補である日銀理事の内田真一氏、前金融庁長官の氷見野良三氏の所信聴取と質疑も午後に行われました。国会の同意が得られれば、植田氏は4月9日、副総裁候補の内田真一日銀理事、氷見野良三前金融庁長官は3月20日に就任する予定です。

その植田氏は所信聴取で、
「金融政策、コストプッシュの一時的な物価高には反応せず」
「現在の金融政策は副作用もたらしているが、経済・物価情勢踏まえると必要かつ適切な手法」
「今日、発表されたCPIがピークとなり、それ以後のデータは下がったものが出てくる」
「YCCの将来について、様々な可能性が考えられる」
「基調的な物価の見通しが一段と改善する場合には、YCCの見直し、ないしは正常化を考えないといけない」
「基調的な物価の見通しが改善しない場合、市場機能の低下の抑制に配慮しつつYCCを継続する方法を模索する」
「国債を売却するというオペレーションに至ることはないだろう」
「引き締め局面では、当座預金の金利を引き上げていくことになる」
「保有するETFをどうするかは大問題。出口が近づけば具体的に検討する。出口戦略については時期尚早」
「日銀の国債購入、物価安定目標を実現するためのものであり、財政ファイナンスのためではない」
などと述べました。

これらの発言から、植田氏は金融緩和に積極的なリフレ派でも、金融引き締めに積極的なタカ派でもなく、中立的なリアリストのようです。このため、日銀は新体制になっても、拙速な大規模金融緩和の変更は行わない可能性が高いと考えます。よって、植田氏の日銀総裁就任は東京株式市場にとって、極めてポジティブな材料とみています。

一方、米国では、2月23日のニューヨーク債券市場で、米10年物国債利回りは前日比0.03%低い3.88%で取引を終えたものの、一時3.97%と昨年11月以来の高水準を付ける場面がありました。この日は、同日発表の2022年10~12月期の米実質GDP改定値で、個人消費支出(PCE)物価指数が上方修正されたため、FRBの利上げ停止の時期が遠のくとの見方から米国債が売られました。

米国の長期金利の上昇傾向は、高PERのグロース株への強烈な逆風です。一方、低PER、低PBR、高配当利回りのバリュー株は物色され易い環境が続いています。特に、PBR1倍割れの企業に注目しています。なぜならば、今後、東証の力強い「PBR1倍割れ企業への指導」によって、「自社株買い」、「増配」、「配当性向の引き上げ」、「株主優待の新設・拡充」、「資本コストを上回る資本収益性を達成するためのロードマップ」などをまとめる可能性が高いからです。よって引き続き、PBR1倍以下、低ROEながら、配当余力が十分にある銘柄をスクリーングして、銘柄を選定することをお勧めします。

なお、2月24日の日経平均は27453.48円でした。5日移動平均線(24日現在27415.19円)、25日移動平均線(同27418.53円)、75日移動平均線(同27300.94円)、100日移動平均線(同27221.36円)、200日移動平均線(同27271.58円)全て上回ってきました。なお、2月22日の終値は前日比368.78円安の2710432円で、5・25・75・100・200日移動平均線全て下回っていました。今後については、「25日移動平均線を下回り、且つ、25日移動平均線自体が下向きに転じる」までは、堅調に推移するとみています。ですが、22日の下落で中長期の移動平均線をあっさりと割り込んだことでもわかるように、不安定な状況であるとも認識しています。よって、慎重スタンスを維持しながら、相場に臨むことをお勧めします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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