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2023年3月10日

相場の見立て・展望(3月10日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
9日のNYダウは3日続落し、前日比543.54ドル(1.66%)安の32254.86ドルと、昨年11月上旬以来およそ4カ月ぶりの安値に沈みました。また、ナスダック総合株価指数は反落し、同237.65ポイント(2.05%)安の11338.36ポイントでした。8日夕に新株発行による資金調達と保有有価証券の売却を発表した、金融のSVBファイナンシャル・グループが暴落し、一時は前日比62.7%安の100.00ドルを付けました。このSVBの急落が投資マインドを急激に冷やしました。なお、「米ペイパル・ホールディングス共同創業者で資産家のピーター・ティール氏が設立したファンドは、投資先の企業に対し米金融のSVBファイナンシャル・グループから資金を引き揚げるよう助言している。」と報じられています。

SVB(Silicon Valley Bank)は財務悪化の背景に、FRBの利上げによる資金調達コストの急激な上昇を挙げています。そのFRBは、21~22日のFOMCで利上げ幅を再び0.5%に広げるとの観測が市場の一部で囁かれています。このため、FOMCを無事に通過するまでは、米国株式市場は不安定な動きを続ける可能性が高そうです。ただし、その間は、多くの投資家がリスクオフ姿勢を強める結果、安全資産とされる米国債が買われ、長期金利の上昇に歯止めが掛かる可能性が高いため、無秩序な米国金融市場の混乱は避けられるとはみています。

一方、日本株に関しては、2月22日の27046.08円を目先底に順調に上昇してきました。3月9日には一時28734.79円をつける場面がありました。ですが、10日の日経平均は前日比479.18円(1.67%)安の28143.97円でした。前日の米国株安の影響を受けたこともあるでしょうが、9日までの上昇ピッチが急で、短期的に過熱していたこともあり、前日の米株の急落をきっかけに、利益確定売りが加速したのでしょう。

テクニカル的には、10日の日経平均の終値28143.97円でしたので、5日移動平均線(10日現在28351.65円)は下回りました。一方、25日移動平均線(同27705.01円)、75日移動平均線(同27313.38円)、100日移動平均線(同27355.56円)、200日移動平均線(同27347.43円)全て上回っています。25日移動平均線の向きが下降転換したら、下方向への警戒をより強めておきたいと考えていますが、10日現在、25日移動平均線は31日連続で上昇中です。短期的な調整メドは3日と6日と空けた窓(27961.21円~28153.82円)埋め水準です。そこで止まらないようなら、25日移動平均線付近までの調整を想定しています。

米国株がFOMCまで不安定な動きを続けることを前提にすると、日本株もそれまでは短期的な調整を続ける可能性が高そうです。ただし、海外投資家を中心に、東証による「PBR1倍割れ企業に対する資本効率の改善要請」を高く評価している可能性が高いため、下値では海外勢の買いが見込めるとみています。その一方、2月下旬からの日経平均の上昇は10日の先物・オプションのメジャーSQをターゲットにした「踏み上げ狙いの結果」の側面もあったため、当面の値動きはSQ前までと違い、ボラティリティは低下し、比較的落ち着いたものになるともみています。結論として、「押し目買い・噴き値売り」スタンスで相場に臨むことをお勧めします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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