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2023年3月17日

相場の見立て・展望(3月17日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
今週は、欧米の金融不安が強まった後、様々な適切な対策が迅速に実行された結果、週後半にかけて、世界の金融市場は、やや落ち着きを取り戻しています。

米国では、8日に暗号資産取引が多いシルバーゲート・バンクが破綻しました。10日には、シリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻しました。そして、12日には、シグネチャー・バンクが破綻しました。このような金融危機的な状況への対応として、FRBが、12日に、「銀行タームファンディングプログラム(BTFP)」を新たに導入しました。また、12日には、米財務省が「預金の全額保護」の公式声明を発表しました。

そして、JPモルガン・チェースなど米大手銀行11行が16日、米地域銀行のファースト・リパブリック・バンクへの資金支援を決めました。11行合計で300億ドルを預金の形で預け入れます。これらの官民の金融危機対応策が相次いで打ち出された結果、米国の金融不安は沈静化しつつあります。

一方、欧州では、15日の欧州株式市場でスイスの金融大手クレディ・スイス・グループの株価が急落しました。同日、筆頭株主のサウジ・ナショナル・バンクが追加投資をしないと伝わったことがきっかけでした。この状況に対して、スイス国立銀(中央銀行)とスイス金融市場監督機構(FINMA)は15日、「クレディ・スイスはシステム上重要な銀行に対する資本や流動性の要件を満たしている」との声明を発表しました。また、スイス国立銀行が同日、「必要なら流動性を供給する」との方針を示しました。

さらに、クレディ・スイスは16日、スイス国立銀行から最大で約500億スイスフランを借り入れるオプションを行使する方針だと発表しました。あわせて米ドル建てとユーロ建ての社債の一部を総額で最大約30億スイスフラン相当、買い戻す計画も示しました。これら一連の対応で、欧州の金融不安も沈静化しつつあります。

欧米の金融市場が動揺している真っ最中に、ECBは16日の理事会で0.5%の大幅利上げを決めました。ラガルドECB総裁は、16日の記者会見で、「基調的な物価圧力は引き続き強い」と指摘しました。しかし、その一方で、今後の金融政策については、明確な方針を示すことを避けたため、市場ではECBによる利上げ継続観測が弱まっています。

一方、米国では、FRBが21~22日のFOMCで政策金利を0.25%引き上げるとの見方が強まっています。というのは、欧米の金融システム不安が後退し、FRBが利上げに動きやすくなるとの見方が強まったからです。同時に、「据え置き」を予想する投資家は、減少しています。

それはさておき、日経平均については、テクニカル的に25日移動平均線の向きが14日に下降転換し、17日まで4営業日連続で下降中のため、下方向への警戒を強めておきたいと考えています。ですが、17日終値は27333.79円と、5日移動平均線(17日現在27325.78円)を上抜いてきました。今後、「日経平均が、5日移動平均線の上で推移し、且つ、5日移動平均線自体が上向き」に転じるようならば、16日の26632.92円を起点とした「本格的なリバウンドの発生」が見込めるともみています。それまでは、慎重な運用スタンスで相場に臨むことをお勧めします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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