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2023年3月24日

相場の見立て・展望(3月24日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
米中堅銀行シリコンバレー銀行(SVB)の破綻の余波で、経営不振に陥ったクレディ・スイスの破綻が、スイス発の金融危機に発展しかねないとの懸念が強まる中、スイスの金融大手UBSは3月19日、クレディ・スイスを買収し、合併すると発表しました。買収額は30億スイスフラン(約4300億円)です。UBS株1株につきクレディ・スイス株22.48株を割り当てます。買収は年内に完了する見通しです。

一方、米国では、イエレン米財務長官が、3月22日の上院歳出委小委員会で、「議会の承認なしに預金保護を一時的に米銀の全預金に拡大する可能性について、財務省当局者は検討も議論もしていない」と証言したことで、銀行株が急落しました。しかしながら、翌23日、イエレン氏は、下院歳出委員会小委員会の公聴会で証言し、「正当化される場合、当局には預金保護で追加措置を講じる用意がある」と述べました。

UBSによるクレディ・スイス買収の実現や、米国の預金者保護に前向きなイエレン発言などを受け、世界的な金融不安は大幅に後退しました。

ところで、FRBは22日、大方の市場予想通り政策金利を0.25%引き上げ、4.75~5.0%とすることを決めました。パウエルFRB議長はFOMC後の会見で、23年に利下げは実施しないと明言しました。ですが、今回のFOMCでは利上げ休止を検討したことも明らかにしました。このため、市場では利上げの打ち止めが近いとの観測が強まり、米長期金利は低下基調を辿り、外国為替市場では円買い・ドル売り圧力が強まっています。これは高PERのグロース株に追い風と考えます。その一方、円高は日本株全体の上値圧迫要因であり、逆風と認識しています。

それはさておき、日経平均については、テクニカル的に25日移動平均線の向きが14日に下降転換し、22日に1日だけ上昇に転じましたが、23日、24日と2営業日連続で下降中です。ですが、24日終値は27385.25円と、5日移動平均線(24日現在27310.19円)の上で推移し、且つ、22日~24日まで3日連続で5日移動平均線自体が上向いています。このため、16日の26632.92円を起点とした「本格的なリバウンド」が発生中とみています。今後、「日経平均が、5日移動平均線の下で推移し、且つ、5日移動平均線自体が下向き」に転じるまでは、「強気スタンスで相場に臨む」ことを推奨します。

なお、欧米の金融不安が沈静化しつつあるため、3月期末が接近していることもあり、投資家の関心は、配当権利取りに向かう見通しです。大和証券の3月6日付けレポートによれば、「2023年3月下旬における配当落ち額は、日経平均では252円、TOPIXでは 23.0pts と試算される。また、パッシブ連動資産がすべて配当落ちに伴う先物買いに動いた場合、日経平均先物で 1500億円強、TOPIX先物で9500億円強の配当落ちによる買い需要が予想される。」とのことです。このため、権利付き最終日である3月29日前後の日本株の需給は特殊要因とは言え、極めて良好とみてよさそうです。ただし、狙うべき銘柄は、信用買い残が少なく、信用需給が良好で、チャートが良好な銘柄だけに狙いを絞って物色することを強くお勧めします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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