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2023年3月31日

相場の見立て・展望(3月31日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
3月28日開かれた上院銀行委員会の公聴会で、米財務省のネリー・リャン国内金融担当次官は、「銀行・金融システム全体の動向を引き続き注意深く監視している。イエレン財務長官が述べたように、われわれは重要な手段を用いて影響波及を防ぐために迅速に行動した。預金の安全性を確保するために必要であれば、これらの手段を再び使用する」と述べました。米政策当局が、シリコンバレー銀行(SVB)などの経営破綻をきっかけにした金融不安に対して、迅速且つ適切な対策を講じただけでなく、今後も強力な対策を講じ続ける姿勢を強く打ち出したことで、金融不安は大幅に後退しました。

このため、米国の金融市場は落ち着きを取り戻しつつあり、投資家は「リスクオン」になってきています。実際、3月30日のNYダウは続伸し、前日比141.43ドル高の32859.03ドルでした。また、ナスダック総合株価指数も続伸し、同87.24ポイント高の12013.47ポイントでした。

一方、日経平均に関しては、3月16日の26632.92円を起点にした自律反発相場が継続しているとみています。3月31日の終値は28041.48円と、5日移動平均線(3月31日現在27740.66円)を上回り、且つ、5日移動平均線自体が3月22日以降8日連続で上昇中のため、「短期的な上昇トレンド」が継続中とみています。一方、3月31日時点で25日移動平均線が、3月28日以降4日連続で上昇中、また、75日移動平均線も3月29日以降3日連続で上昇中のため、「中期的な上昇トレンド」も発生したとみています。今後、日経平均が5日移動平均線を下回り、且つ、5日移動平均線自体が下降するまでは、現在の「リバウンド」は継続する見通しです。

ところで、3月31日付け日本経済新聞が、「東京証券取引所は、PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る上場企業に対し、株価水準を引き上げるための具体策の開示を求める。直近で1倍割れは約1800社ある。企業に資本コストや株価を意識した経営を定着させる狙いがある。東証プライム市場と同スタンダード市場に上場する全約3300社に対し、資本コストや市場での評価を認識するよう要請する。」と報じています。

この要請に対して、上場企業側は、例えば、岡三証券グループ(8609)のような対応をしてくるとみています。岡三証券グループは、総還元性向 50%以上を指標目標として設定し、新中期経営計画の対象期間中、PBR1.0 倍を超えるまで、年間10億円以上の自己株式取得を実施することを、3月24日に発表しています。なお、「総還元性向=(配当金総額+自己株式取得額)÷親会社株主に帰属する当期純利益」です。今後は、多くのPBR1倍割れ企業が、岡三証券グループのように、資本効率の向上ならびに企業価値の向上に向けた具体策を打ち出してくることでしょう。

突発的な悪材料の発生があれば話は別ですが、金融不安が収まりつつある状況下、当面は良好な投資環境が続く可能性が高いとみています。積極的に市場参加して、収益獲得を目指すことをお勧めします。物色面では、PBR1倍割れの企業で、更なる株主還元策が打ち出せる企業のうち、信用需給が良好(信用倍率が低く、信用買い残が少ない)で、且つ、チャートも良好(「上昇する5日移動平均線」と「上昇する25日移動平均線」を共に株価が上回って推移している)な銘柄を狙うべきと考えています。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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