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2023年4月21日

相場の見立て・展望(4月21日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
米調査会社コンファレンス・ボードが、4月20日発表した3月の景気先行指数(LEI)は前月比で1.2%低下しました。低下は12カ月連続で、3月は前年同月比でみると7.8%下げました。指標担当者は、「今後数カ月で経済はいっそう弱含み、23年半ばに景気後退が始まると予測する」と、具体的に景気後退見通しを示しました。また、同日発表された米フィラデルフィア連銀の製造業景況指数は、マイナス31.3と、前月から悪化し、市場予想も下回りました。

このため、市場では、米国の景気減速への警戒感が強まっており、足元の米国株は軟調に推移しています。また、米長期金利が低下し、日米の金利差縮小を意識した円買い・ドル売りが入り、外国為替市場では、円高・ドル安傾向となっています。具体的には、20日のNYダウは3日続落し、前日比110.39ドル安の33786.62ドルでした。ナスダック総合株価指数は反落し、同97.67ポイント安の12059.56ポイントでした。また、20日の米10年物国債利回りは前日比0.06%低い3.53%で取引を終えました。

このような状況下、NY連銀のウィリアムズ総裁は、19日の講演で高インフレを抑制するための利上げ継続を支持しました。また、クリーブランド連銀のメスター総裁も、20日の講演で、4.75~5.00%の政策金利を5%超に引き上げる必要があるとの考えを示しました。市場が先行きの景気悪化を警戒する中、連銀総裁のタカ派的な発言が相次いでいるため、米国株の上値は買い難くなっています。

一方、日経平均に関しては、4月7日から18日まで8連騰し、18日には終値ベースで年初来高値を更新しました。また、21日には一時28778.37円を付け、それまでのザラ場ベースの年初来高値だった、3月9日の28734.79円を上回りました。このように、日本株は米国株に比べると、非常に強い動きでした。日本株が強かった主因は、(1)ウォーレン・バフェット氏が4月11日、日本企業について「考えている会社は常に数社ある」と追加投資を示唆したことと、(2)4月19日に日本政府観光局が発表した3月の訪日外国人客数が前年同月の27倍に増えたため、インバウンド消費の回復期待が高まったこと、と考えています。

しかしながら、前述のように、米国景気悪化懸念で米国株が軟調なため、このままでは、日経平均が年初来高値を更新し続けることは難しいとみています。また、来週は後半から、日本でも、主力企業の決算発表が本格化します。このため、発表される決算内容を見極めたいとのムードが強まることでしょう。さらに、今年のゴールデンウィークは4月29日の「昭和の日」に始まり、翌週の祝日3日間をはさみ、5月7日が最終日です。この連休前には、ポジションを閉じる動きが加速する見通しです。

それはさておき、21日の東京株式市場では、アクティブに売買している個人投資家の人気や注目度の高かった、アースインフィニティ(7692)、Abalance(3856)、サイバーステップ(3810)などがストップ安売り気配で取引を終えたり、QDレーザ(6613)が大幅安となりました。また、ジェノバ(5570)、エキサイトホールディングス(5571)などの直近IPO銘柄も大幅に下落しました。

このため、信用取引を積極的に活用するなど、短期売買を好む個人の手の内・マインドが相当悪化してきているように感じます。これ自体は、日経平均などの株価指数への影響は軽微でしょう。ですが、個人投資家好みの銘柄のうち、チャートが悪化し、且つ、信用買い残の積み上がっているような銘柄に関しては、手仕舞い売りや、追証絡みの売りが、特に来週は出易くなる可能性が高まっていることには、注意が必要だと思います。結論として、通常モードよりも、リスク・資金管理をより厳格化して、来週の相場に臨むことをおすすめします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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