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2023年4月28日

相場の見立て・展望(4月28日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
ここ最近、個人投資家の人気の高い銘柄の株価急落が相次ぎ、個人(特に、信用個人)のマインドが悪化しているように感じます。今週に関しては、ispace(9348)の急落が話題になっています。同社が開発した月着陸船は、4月26日午前0時40分ごろ、月面に向けて降下を始め、およそ1時間後に着陸する計画でした。しかしながら、着陸予定時刻のあと通信が途絶え、計画していた着陸はできませんでした。これを受け、売り物が殺到し、株価が急落したのです。前週末21日には、アースインフィニティ(7692)、Abalance(3856)、サイバーステップ(3810)などの人気銘柄がストップ安売り気配で取引を終えたことは、記憶に新しいところです。

この手の人気銘柄は、信用取引を積極的に活用して、短期売買を好む「アクティブ個人」の関与率が非常に高いことが知られています。多くの個人投資家は、まず最初に、手持ちの現金で株を買います。その後、さらに欲しい銘柄を見つけたのに、お金が足りない場合、保有株式を担保(代用有価証券)にして、信用取引を開始することが多いようです。

正直、私には信じられませんが、ある銘柄で損失を出すと、その損失を一気に取り返すべく、身の丈を超えたレバレッジを効かせ、次の銘柄に集中投資する個人が散見されます。集中投資した銘柄の株価が思惑通り上昇すれば問題ありません。しかしながら、思惑とは逆に、株価が急落してしまうと、凄まじい勢いで資産が溶けます。そして、追証が発生し、最終的には「ド安値で投げざるを得ない」という悲惨な事態に陥りがちなのです。

また、多くの信用個人が注目し、積極的に売買する「旬な銘柄」は、得てして銘柄数が少ないのです。つまり、少数の人気銘柄群に、資金も投資家も集中しがちなのです。このため、その少数の銘柄群のうち、ひとつでも急落が発生すると、他の「旬な銘柄」にも、信用維持率を高めに維持する目的の売りや、追証回避を目的とした売りが断続的に出始め、結局、「旬な銘柄」全体に、「売るから下がる、下がるから売る」という負の連鎖が発生しがちなのです。

適正なレバレッジ比率は、個人のリスク許容度や運用資金の性格などによって全く異なるので、一概に何倍が適正とは言えません。しかしながら、当コラムの読者の方には、信用取引を活用する場合、レバレッジ比率は最大でも2倍以内に抑えることをお勧めします。また、現物株も保有し、その現物株を担保にして、同じ銘柄を信用で買い建てる「信用二階建て」は避けましょう。くれぐれも、リスクをある程度コントロールして、例え思惑が外れたとしても、一発退場だけは避けることが出来るような資金・リスク管理で、収益獲得を目指してください。

それはさておき、今年のゴールデンウィークは、4月29日の「昭和の日」に始まり、翌週の祝日3日間をはさみ、5月7日が最終日です。そして、日本が連休中の5月2~3日には、重要イベントのFOMCが米国で開催されます。FOMCの結果次第では、米国金融市場が波乱の展開となる可能性は決して低くはありません。仮に、米国金融市場の波乱が発生したら、東京株式市場は休場のため、多くの投資家は適切な対応ができません。このため、5月1日、2日の両日で、海外市場の動向を気にしなくてもいい規模まで、ポジションをある程度軽くしておき、5月3日以降のゴールデンウィークを楽しく過ごす運用プランをお勧めします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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