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2023年5月2日

相場の見立て・展望(5月2日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
日銀は、4月27~28日に開いた金融政策決定会合で現行の金融緩和策の維持を決めました。そして、植田和男総裁が会合後の記者会見で「引き締めが遅れて2%を超えるインフレ率が持続するリスクよりも、拙速な引き締めで2%を実現できなくなるリスクの方が大きい」と述べました。植田総裁が、粘り強く金融緩和を継続する姿勢を強調したことで、ハト派(金融緩和を続ける)的な日本と、タカ派(金融引き締めを続ける)的な欧米の金融政策の方向性の違いから、金利差拡大を意識した主要通貨に対する円売りが加速しています。

この円安を受け、4月28日以降の東京株式市場では、輸出関連株が買われ、日経平均を押し上げました。週明け5月1日の日経平均は3日続伸し、前週末比266.74円高の29123.18円で取引を終え、年初来高値を更新しました。終値での29000円台回復は昨年8月17日以来約8カ月ぶりのことです。この日も、対主要通貨で円安が進み、輸出関連株を中心に買いが入りました。

そして、2日の日経平均は29278.80円で寄った後は、売り物に押され、結局前日比   34.77円高の29157.95円と、伸び悩んで取引を終えました。4月28日と5月1日の2日で、665.50円も上昇したことに加え、日本が大型連休で東京株式市場が休場なのに、欧米では重要な会合が開催されたり、重要指標の発表があることを考えれば、利食い売りで上値が重くなることは、当然と言えば当然の値動きでした。重要イベントとは、具体的には、5月3日は4月のISM非製造業景況指数(総合)、4日はFOMC終了後に政策金利の発表とパウエルFRB議長の定例記者会見、ECB政策金利の発表とラガルドECB総裁の定例記者会見、そして、週末5日は4月の米雇用統計の発表などです。

5月2〜3日のFOMCでは、0.25%の利上げが決まるとの見方が強まっています。今回の会合で、利上げが打ち止めとなるかが焦点です。一方、ユーロ圏では米国よりインフレ圧力が強いため、ECBは、FRBよりも長期に亘って、利上げを続けるとみられています。このため、ラガルドECB総裁が、定例記者会見で、市場の想定以上のタカ派的な発言をするか否かが焦点となっています。

ところで、国内では、週明け8日から3月決算企業の決算発表が急増し、これは再来週の15日まで続きます。発表される内容次第で、買われる銘柄がある一方で、売られる銘柄も出る可能性が高いため、来週以降は、「物色の2極化」が鮮明になる見通しです。なお、個人的には、現在保有している銘柄の「決算跨ぎ」はお勧めしません。「決算ギャンブル」を避け、決算内容を十分に吟味した上で、「買い戻し」または「買い戻し見送り」の判断をすることを推奨します。

ただし、5月8日に、新型コロナの感染症法上の分類が、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行することで、我が国の経済社会活動の正常化が進むことや、インバウンド(訪日客)回復が見込めるため、日本の景気回復期待は高まっています。このため、連休中も連休明け後も、海外金融市場が波乱の展開とならない限り、日本株は堅調に推移するとみています。

前回の当コラムで、「5月1日、2日の両日で、海外市場の動向を気にしなくてもいい規模まで、ポジションをある程度軽くしておき、5月3日以降のゴールデンウィークを楽しく過ごす運用プランをお勧めします。」としました。これを実践された方は、現金比率が高い状態のはずです。よって、来週以降は、決算を無事に通過した銘柄のうち、あなた自身が「これは買いだ」と判断した銘柄に、狙いを絞ってポートフォリオを構築していくプランをお勧めします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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