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2023年5月19日

相場の見立て・展望(5月19日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
5月19日の日経平均は7日続伸し、終値は前日比234.42円(0.77%)高の30808.35円でした。2021年9月14日に付けたバブル経済崩壊後の終値ベースの高値(30670.10円)を上回り、1990年8月以来およそ33年ぶりの高値で引けました。前日の米株式市場が上昇したことが、19日の日本株の買い材料でした。18日のNYダウは続伸し、前日比115.14ドル高の33535.91ドルでした。また、ナスダック総合株価指数も続伸し、同188.27ポイント高の12688.84ポイントでした。共和党のマッカーシー下院議長が18日、連邦債務上限引き上げに関して、「合意に至る道筋がみえる」と述べ、来週にも下院で採決できるとの見通しを示したことが買い材料でした。

ところで、外国為替市場では、日米の金利差の拡大を意識した円売り・ドル買い圧力が強く、円安基調が続いています。18日には一時1ドル=138円台後半と2022年11月30日以来およそ半年ぶりの円安・ドル高水準を付ける場面がありました。この円安が、我が国の輸出関連企業の業績を押し上げるとの見方が強まっています。また、東証による低PBR改善要請を受け、自社株買いなど資本効率の改善策を打ち出す企業が相次いでおり、それが高く評価されています。

そして、新型コロナウイルスに関しては、5月8日に分類が「5類」に移行し、また、海外からの渡航者に対する水際対策が緩和されたこともあり、経済再開・正常化やインバウンド(訪日外国人客)効果で、日本の先行き景気改善期待も高まっています。ちなみに、4 月の訪⽇外客数は 2019 年同月比 66.6%の 1,949,100 人となり、前月に引き続き昨年 10 月の個人旅⾏再開以降で最高を更新しました。国際線定期便に関しては、コロナ禍前の約 6 割まで運航便数が回復しています。

このように、日本株が魅力的なため、東京株式市場に資金を振り向ける海外投資家が増えています。ちなみに、5月第2週(8〜12日)の投資部門別売買動向では、海外投資家は現物株を5658億円買い越しました。7週連続の買い越しです。7週間の買い越し額は、累計で2兆8842億円となりました。また、現物株と先物の合計でみると6週連続の買い越しで、累計4兆2724億円の資金流入となっています。

一方、個人は5月第2週に現物株を3054億円売り越しました。売り越しは5週連続です。また、18日時点のNEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(ダブルインバ、1357)の口数が前日比1%増の9億420万口と、初めて9億口を上回りました。このETFは日経平均と逆方向に2倍の値動きをします。ご存じのように、4月下旬以降、日経平均が非常に強い上昇を演じているため、このETFの価格は下落が続き、19日には、上場来安値265円を付ける場面がありました。

なお、今後の日経平均についてですが、19日のドル建て日経平均は222.75ドルでしたが、直近高値の21年2月16日の288.21ドルからは2割強低い水準です。現在の買いの主体が海外勢であることを考えると、彼らの目には「日本株は、まだまだ割安」と映っている可能性が高そうです。このため、短期的な過熱感は否めないものの、まだまだ上を目指す可能性が高いとみています。

少なくとも、「円ベースの日経平均が5日移動平均線を下回り、且つ、5日移動平均線自体が下向き」の状況に変化するまでは、日本株については、「強気」を維持するべきと考えます。また、その間は、安易な先物ショートや、ダブルインバ(1357)等の購入は控えるべきだと思います。なぜならば、その行為は、トレンドに向かうことになるからです。当面は、海外勢同様に、トレンドを友達にして、収益獲得を目指すことをおすすめします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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