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2023年5月26日

相場の見立て・展望(5月26日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
日本株は非常に強い動きを続けています。需給面では、海外投資家が順張り的に買い上がり、国内投資家が逆張り的に売り向かうという構図になっています。

5月第3週(15〜19日)の投資部門別売買動向では、海外投資家は現物株を7476億円買い越しました。8週連続の買い越しです。8週間の買い越し総額は3兆6000億円に達しました。海外投資家は先物も買い越しています。5月第3週の先物の投資部門別株式売買動向(日経平均先物、TOPIX先物、ミニ日経平均先物、ミニTOPIX先物の合計)によれば、買い越し額は5456億円でした。3週連続の買い越しです。この週の海外投資家は、現物株と先物との合算では1兆2932億円の買い越しでした。

一方、5月第3週、年金基金の売買動向を反映するとされる信託銀行は、936億円の売り越しと、8週連続で売り越しました。この間の売り越し総額は1兆757億円でした。年金基金は、リバランスのための売りを出し続けているようです。また、個人投資家も9273億円の売り越しでした。売り越しは6週連続です。海外投資家が買い越した8週間でみると、個人投資家は、2兆3600億円を売り越しました。

今後の日本株については、6月物の先物・オプションのSQ算出日の6月9日あたりまでは大きく崩れることはないとみています。というのは、6月物の先物やコール・オプションをショート(売り建て)したり、強い値動きをしている個別銘柄への逆張りスタンスでの空売りで担がれている(時価が売り建て値を大きく上回り、評価損を抱えている状態)の個人投資家が、沢山いるからです。基本的に、先物等のショートや、個別銘柄の空売りは、「将来の買い予約」です。特に、先物等に関しては、現在の中心限月が6月物です。このため、先物等の売り方は、SQ決済をしないのなら、SQ前日までに買い戻しをしなくてはなりません。この買い需要がSQ前まで存在するため、相場は崩れにくいと考えているのです。

また、(NEXT FUNDS) 日経ダブルインバース上場投信(1357)(通称:ダブルインバ)の信用買いや、(NEXT FUNDS)日経平均レバレッジ上場投信(1570)(通称:ダブルブル)の空売りで、苦しんでいる個人も多いとのことです。ちなみに、ダブルインバの5月19日時点の売残は836万6727口、買残は1億9373万1286口、信用倍率は23.15倍です。信用需給は極めて悪いです。また、5月26日終値は265円です。5月23日に付けた上場来安値258円とほぼ同水準です。一方、ダブルブルの5月19日時点の売残は451万2437口、買残は371万8820口、信用倍率は0.82倍です。信用需給は極めて良好です。また、5月26日終値は18095円です。5月23日に付けた年初来高値18600円をやや下回るものの、ほぼ同水準です。

せっかく日本株に上昇トレンドが発生しているのに、「逆張り派」は、非常に残念な状況に陥っていると考えます。

そこで、当コラムの読者の皆様への私からの提案は、「基本的には、トレンドの友達にして、素直にトレンドに乗る、順張りを心掛けましょう。もし、逆張りして、トレンドに向かうにしても、その際は、ロスカットを厳格にして、評価損の膨張に苦しまないようにしましょう」というものです。

なお、有名な相場格言に、「買いは家まで売りは命まで」というものがあります。これは、「信用買いは家を失うリスクがあるけど、信用売り(空売り)は家どころか命まで失ってしまうリスクがある」という意味です。特に、小型株の空売りはリスクが極めて大きいため、腕に覚えのある方以外は、決してやるべきではないと考えます。最近では、ビューティ花壇(3041)の売り方が大変なことになりました。同社は貸借銘柄で、同社の株価は、5月9日から突然動意づきました。前日の5月8日の終値は334円でしたが、その後、買いが買いを呼ぶ展開となり、5月16日の2274円でようやく全株一致で値を付けました。このようなことはめったに起こることではありませんが、やはり、小型株の安易な空売りは可能な限り避けるべきだと思います。リスクを抑えながら収益を積み上げることを目指すという、堅実な運用を強くお勧めします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

 
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