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2023年8月25日

相場の見立て・展望(8月25日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
FRBによる金融引き締めが長期化するとの観測が根強いため、米長期金利が上昇基調を維持しています。これが米国株の上値圧迫要因です。特に、高PERのハイテク株の売り材料となっています。その影響で、日本株も調整中です。

米10年物国債利回りについては、8月22日のアジア市場の時間帯には一時4.36%と2007年11月以来の高水準を付ける場面がありました。なお、24日の米10年物国債利回りは、前日比0.04%高い4.23%で取引を終えました。この長期金利の上昇を嫌気する格好で、24日のNYダウは反落し、前日比373.56ドル(1.08%)安の34099.42ドルと、7月10日以来約1カ月半ぶり安値で取引を終えました。また、ナスダック総合株価指数は4日ぶりに反落し、同257.06ポイント(1.87%)安の13463.97ポイントでした。

ところで、米カンザスシティー連銀が主催する国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)が24日に始まりました。パウエルFRB議長の講演は米東部時間の25日10時5分(日本時間同日23時5分)に始まります。市場では、「議長が、R*(アールスター)と呼ばれる自然利子率に言及し、自然利子率が上昇したとみているか否か?」に注目しています。「自然利子率」とは、需給(需要と供給)が均衡し、完全雇用のもとで インフレ も デフレ も過度に起こさずに順調に経済が成長していく 金利水準のことです。

FRBは、長期均衡の政策金利を2.5%と示しています。FRBが予想する長期的なインフレ率は2.0%なので、自然利子率は2.5%から2.0%を差し引いた0.5%になります。もし、議長が、長期の自然利子率の上昇を示唆するなら、将来の政策金利も高まることになり、市場は「議長は引き続きタカ派」と認識する見通しです。このケースでは、「債券安+株安」となるでしょう。一方、議長が自然利子率について言及しなかったり、自然利子率に基づく政策判断に否定的なスタンスを維持するようなら、「タカ派ではなく、中立的」と評価するとみています。この場合、「債券高(若しくはもみあい)+株高」で反応するとみています。

なお、8月24日のFear & Greed Index(恐怖・強欲指数)は、44で「Fear(恐怖)」でした。1カ月前が81で「Extream Greed(極度の強欲)」でした。この1カ月で、投資家心理が大幅に悪化している様子が窺えます。また、今後、同指数が、0~24のゾーンに入ると、いよいよ、「Extreme Fear(極度の恐怖)」局面入りということになります。押し目買い好機が近づいていると感じています。

それはさておき、足元では、日本株も軟調に推移しています。日経平均は、8月1日の33488.77円を直近高値に調整を継続しています。25日終値は31624.28円と、5日移動平均線(25日現在31834.12円)、25日移動平均線(同32335.10円)共に下回っています。来週以降も、外部環境が改善しない限り、日本株の調整が続く可能性が高そうです。よって、引き続き、無理して売買をせず、「休むも相場」だと思います。ただし、漫然と投資を休むのではなく、虎視眈々と「押し目買い」の好機を待ち続けてください。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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