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2024年1月12日

相場の見立て・展望(1月12日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
1月12日の日経平均は大幅に5日続伸し、前日比527.25円(1.50%)高の35577.11円と、1990年2月以来、約33年11カ月ぶりの高値で取引を終えました。週間(1月9〜12日)では終値ベースで、2199.69円(6.59%)の上昇となり、週間で過去最大の上げ幅だった2020年3月23〜27日(2836.60円)以来、約3年10カ月ぶりの大きさとなりました。外国為替市場で円相場が円安・ドル高方向に振れたことで、採算改善期待から輸出関連株が買われたことに加え、1月から新しい少額投資非課税制度(NISA)が始まり、個人マネーの流入加速が観測されていました。

12日は株価指数オプションとミニ日経平均先物のSQ算出日でした。今週は、SQ算出に絡んだ、株価指数先物への仕掛け的な買いや、デルタヘッジの買い、そして、損失覚悟の売り方の買い戻し(踏み)などが、日経平均(現物・先物)の上げ幅を大きくしたようです。また、12日は、前日に9〜11月期決算を発表したファーストリテイリング(9983)が6.34%上昇率し、1銘柄で日経平均を231.77円押し上げました。ちなみに、1月物の日経平均のSQ値は36025.97円で、9時15秒時点の気配値を使って算出する日経平均の現物の始値35601.65円と、424.32円も乖離しました。

ところで、三菱UFJアセットマネジメントが運用する投資信託「eMAXIS(イーマクシス)Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(オルカン)の1月9日の資金流入額が1000億円を超えたそうです。昨年12月の推計の月間流入額(1088億円)と同程度の資金が流入したとのことです。1月から始まった新しい少額投資非課税制度(NISA)が資金流入を後押ししたもようです。新NISAがスタートしたことで、オルカンに限らず、個人マネーの預金から投資へのダイナミックなシフトが始まったとみてよさそうです。この影響は、株式相場のみならず、円相場にも影響を与え続けることでしょう。無視できないマネーフローです。

なお、12日の日経平均は前日比1.50%高でしたが、東証グロース指数は同0.09%高です。当面の物色対象は、日本を代表する企業群ということになりそうです。小型株、グロース株は物色圏外に放置され続ける可能性が高いとみています。新NISAで買われるであろう銘柄群は、知名度が高い大企業で、配当利回りの高いものが中心となると考えるからです。ただし、バリュー系大型株が買われる相場というよりも、「The 日本」と呼ぶべき日本人なら誰でも名前を知っているような大企業なら「何でも買われるような相場」をイメージしています。

日経平均に関しては、12日までの急騰で流石に過熱感が強まっています。来週以降は、上昇が一服し、健全な調整局面入りするとみています。しかしながら、損失を抱えて苦しんでいる売り方は相当いるはずですし、出遅れた買い方も相当いるはずです。このため、下がれば買いたいというムードが強いため、下値は堅いとみています。当面の日経平均に関しては、5日移動平均線(12日現在34441.85円)が押し目限界になるとみています。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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