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2024年6月14日

相場の見立て・展望(6月14日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
日銀は6月14日の金融政策決定会合では、追加利上げは見送り、引き続き政策金利である無担保コールレート(オーバーナイト物)を0~0.1%程度に誘導します。一方、次回7月30~31日の金融政策決定会合までの長期国債およびCP等・社債等の買入れについては、2024 年3月の金融政策決定会合において決定された方針(国債の買い入れ額を月6兆円程度)に沿って実施します。その後については、金融市場において長期金利がより自由な形で形成されるよう、長期国債買入れを減額していく方針を決定しました。

日銀は後日、「債券市場参加者会合」を開催して、市場参加者の意見も確認します。そして、次回7月の金融政策決定会合において、今後1~2年程度の具体的な減額計画を決定します。今後の日銀の金融政策は、保有資産を段階的に縮小する「量的引き締め(QT)」に移ることになります。つまり、金融政策の正常化へさらに一歩前進することになりました。ちなみに日銀は、約600兆円の国債を保有しています。政府の発行残高の約半分を占める量です。今後、買い入れ額を減らすことで、満期を迎えた分の償還に伴って保有残高は緩やかに縮小させていくことでしょう。

市場では、6月会合での減額決定観測が囁かれていました。しかしながら、減額は先送りされました。このため、市場では7月会合での利上げの可能性は大幅に低下したとの見方が強まりました。このハト派的な日銀の決定を好感する格好で、14日の東京株式市場では、日経平均は13時03分に本日高値の39025.70円を付けました。しかし、その後は売り圧力が強まり、結局、前日比94.09円(0.24%)高の38814.56円と、伸び悩んで取引を終えました。業種別では、金融緩和継続で不動産セクターが買われ、銀行が売られました。ただし、日経平均は伸び悩んだとはいえ、日銀の会合を無事に波乱なく通過できたと評価してよいでしょう。

それにしても、米国株式市場では、NYダウは冴えませんが、ナスダック総合株価指数とS&P500種株価指数は非常に強い動きを続けています。6月13日のナスダック総合株価指数は4日続伸し、前日比59.12ポイント(0.34%)高の17667.56ポイントで終え、連日で最高値を更新しました。また、S&P500種株価指数は4日続伸し、同12.71ポイント(0.23%)高の5433.74ポイントと、4日連続で最高値を更新しました。この日は、5月の米PPIが前月比で0.2%下落し、市場予想の0.1%上昇に反してマイナスとなったことで、米長期金利が低下しました。これが株式の買い材料となりました。

ナスダック総合株価指数とS&P500種株価指数は非常に強い動きを続けている割には、日経平均の値動きは鈍いとの印象です。現時点において、来週の相場が急騰する材料も、急落する材料も特に見当たりません。ただし、今週で、FOMC、6月物の先物・オプションのメジャーSQ、そして、日銀の金融政策決定会合を無事に通過しました。イベントリスクはほぼ皆無の状態になりました。よって、来週以降に関しては、リスク管理を徹底することを前提に、積極スタンスで相場に臨むことをおすすめします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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