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2024年6月21日

相場の見立て・展望(6月21日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
6月20日の米国株式市場では、主要株価指数のうちS&P500種株価指数とナスダック総合株価指数の2指数は、取引序盤に過去最高値を付けた後、下落しました。一方、NYダウは3日続伸しました。この日は、出遅れ感のあった銘柄を中心に買いが入り、NYダウは上昇しましたが、これまで過熱気味に物色されていたハイテク株が利食い売りに押されました。

S&P 500種株価指数は、一時的に初めて 5500ポイントを超え5505.53ポイントを付けた後、結局、前営業日比13.86ポイント(0.25%)安の5473.17ポイントでした。ナスダック総合株価指数は取引序盤に17936.79ポイントを付けて新高値を更新しましたが、その後売り物に押され、結局8営業日ぶりに反落し、同140.65ポイント(0.79%)安の17721.59ポイントで取引を終えました。一方、NYダウは同299.90ドル(0.77%)高の39134.76ドルと上昇しました。

個別では、エヌビディアの終値が前日比4.80ドル(3.54%)安の130.78ドルでした。エヌビディアは6月18日、時価総額で世界1位となりました。同社株価は18日、時価総額が3兆3400億ドルとなり、米マイクロソフトを抜きました。しかしながら、20日は140.76ドルの高値を付けた後、利益確定売りに押されました。結果、マイクロソフトに次ぐ2位に転落しました。「一日天下」でした。

それはさておき、前日に米国株式市場が休場だったことが影響して、6月20日の東京株式市場では、東証プライム市場の売買代金が3兆1756億円と、今年最低となりました。売買代金は2023年12月29日以来の低水準でした。なお、21日の東証プライムの売買代金は概算で5兆2859億円と前日の20日に比べ大きく増加しました。英国時間5月24日にFTSE Russellから指数の定期見直しの内容が発表されました。そして、6月21日終値ベースでパッシブ連動資金のリバランスに伴う売買インパクトが発生しました。また、年金基金など国内の機関投資家が四半期末を来週に控え、「株式売り+債券買い」のリバランスを行っているとも観測されています。

ところで、21日の日経平均は4日ぶりに小幅に反落し、終値は前日比36.55円(0.09%)安の38596.47円でした。ここ最近の日経平均は上値が非常に重い状況が続いています。一方、下値も非常に堅いため、結果として日経平均に方向感が出ていません。ただし、「決算期(中間決算期、四半期決算期を含む。)末日以前の5営業日において、維持的買付けや買上がりなど、価格を意識したと思われる自己株式等の買付けを行っているかどうか。」を日本取引所自主規制法人は注視しているため、自社株買いは、四半期末の5営業日は自粛されます。よって、6月24~28日の週の日本株については、一時的な需給悪化は覚悟しておく必要があります。結論として、来週に関しては、外部環境が劇的に改善しない限り、上よりも下を警戒しつつ、慎重スタンスで運用することをおすすめします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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