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2024年7月5日

相場の見立て・展望(7月5日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
7月5日の東京株式市場では、TOPIXは6営業日ぶりに反落し、前日比14.29ポイント(0.49%)安の2884.18ポイントでした。9時4分に2906.80ポイントまで上昇し、ザラ場ベースの史上最高値を更新しましたが、その後は、利食い売りに押されました。また、日経平均も小幅ながら6営業日ぶりに反落し、終値は前日比1.28円(0.00%)安の40912.37円でした。

なお、前日の4日まで、TOPIXは5日続伸し、前日比26.29ポイント(0.92%)高の2898.47ポイントで終えました。1989年12月18日につけた2884.80ポイントを上回って34年7カ月ぶりに終値ベースの史上最高値を更新しました。グローバル企業が多い東証プライム市場の時価総額は1007兆円と、初の1000兆円に到達しました。これに関して、「大和証券の藤岡智男・専務取締役グローバル・マーケッツ本部長は、「東証の要請による企業の資本効率改善への期待が顕在化してきた証拠だ」、「今期と来期ともに(輸出関連を中心とした)企業で業績は史上最高益を更新すると見ており、業績の伸びに呼応するかたちで株価の上昇傾向は続く可能性が高い」、そして、「直近の2〜3日間はマクロ系ヘッジファンドなどが主導する先物を中心にした相場展開だと指摘」したと、7月4日16時30分に日経速報ニュースが報じています。私は、藤岡氏の分析・見通し通りだと思います。

ところで、6月第4週(24〜28日)、海外投資家は現物株式を6週ぶりに買い越しました。買い越し額は1239億円でした。海外投資家は5月第4週から5週間で累計6959億円の現物株を売り越して、日本株の上値を抑える一因でした。また、6月第4週の海外投資家は株価指数先物も買い越しに転じ、買い越し額は4746億円と、1月第2週の4881億円以来およそ半年ぶりの規模でした。海外投資家が現物・先物共に買い越しに転じたことで、日本株の上昇が加速しているようです。ちなみに、「米モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントのマルチアセット運用部門の最高投資責任者(CIO)、ジム・キャロン氏は、日本の企業統治改革を評価したうえで「日本株は基準となる資産配分比率よりも多めに配分している」と話す。」とも伝わっています。

それはさておき、物色面で、足元で大きな変化が生じています。日経平均が3月22日のザラ場に41087.75円(終値は40888.43円)を付ける過程では、極論すれば、半導体関連だけが上昇し全体相場を押し上げました。一方、足元では、円安を追い風に収益力を高める主力の輸出関連企業や、金利上昇がプラスになる金融など、相場の牽引役が広がっています。よって、足腰のしっかりした上昇相場だと評価しています。

ただし、大和証券の試算によれば、「ETF分配金捻出の伴う売り需要は、現物は7月8日に約2200億円、10日に約3500億円。先物は8日に約2600億円、10日に約4300億円」だそうです。そして、「金融機関からの分配金落ち後のETF本体の利食い売りへの懸念」も指摘されています。このため、来週以降は、上昇が一服する可能性があります。よって、極端な弱気に転じる必要性は乏しいとはみてはいますが、資金管理(リスク管理)を徹底して、相場に臨むことを強くおすすめします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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