投資顧問会社の株式会社G&Dアドヴァイザーズが運営するWebサイト

関東財務局長(金商)第1756号
株式会社G&Dアドヴァイザーズ

営業時間 平日 8:30~18:00

03-6417-4257

2024年9月20日

相場の見立て・展望(9月20日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
インフレの落ち着きを受け、FRBは9月18日のFOMCで、通常の倍の0.5%の利下げを決め、政策金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を4.75~5.0%に引き下げました。金融引き締めを緩和方向に転換し、FRBは米景気や雇用の下支えを重視するスタンスを鮮明にしました。また、政策金利見通しでは年内に0.5%、2025年に1.0%の利下げを予測しています。一般的に、景気後退を引き起こさずに、金融引き締めを緩める「ソフトランディング」は歴史的にみても難しいとされていますが、現時点において私は、「米経済がハードランディングする可能性」は極めて低いと考えています。

ちなみに、パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で、米経済は良好との見方を示しました。そして、通常の0.25%ではなく、0.5%の大幅利下げを決めたことについては、「後手に回らないという決意の表れ」と説明しています。つまり、FOMCメンバーは、米経済の「ソフトランディング」をメインシナリオにした上で、政策決定しているし、今後もそうしていくと考えます。具体的には、発表されるマクロ指標等のデータを慎重に精査しながら、継続的に利下げを実行し、雇用や景気の急速な悪化を防ぐ見通しです。当然これは、「経済を映す鏡」とされる「株式相場」にはポジティブな金融政策と言えます。

だからこそ、19日の米主要3株価指数が堅調だったのでしょう。この日のNYダウは、前日比522.09ドル(1.25%)高の42025.19ドルと、最高値を更新しました。S&P500も1.70%上昇して最高値を記録し、ナスダック総合指数も2.51%高と大幅高でした。

一方、日銀は、20日まで開いた金融政策決定会合で、市場予想通り現状(無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.25%程度で推移するよう促すこと)を維持すると決めました。19日の米国株高と日銀の現状維持決定を受けた、20日の日経平均は前日比568.58円(1.53%)高の37723.91円と、大幅に3日続伸しました。今週の日経平均は週間で1142.15円(3.12%)上昇し、200日移動平均線(20日現在37621.44円)を上回って取引を終えました。

ところで、大和証券によれば、「2024年9月下旬における配当落ち額は、日経平均では261円、TOPIXでは25.3ptsと試算される。また、パッシブ連動資産がすべて配当落ちに伴う先物買いに動いた場合、日経平均先物で2,000億円弱、TOPIX先物で1兆1,000億円程度の配当落ちによる買い需要が予想される」とのことです。

FOMCと日銀の金融政策決定会合を無事に通過したことで、目先は、「中間期末の配当絡みの需給」が重要イベントになる見通しです。日米金利差は中長期的には縮小に向かう見通し(FRBは利下げ・日銀は利上げの見通し)のため、金利面からは円高に振れやすい状況が続くでしょう。よって、「高配当の円高メリット株」が物色の中心になるとみています。なお、日本株全体としては、「押し目買いによる、積極的な市場参加が報われる局面」と認識しています。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

一覧に戻る

ヘルプ

当サイトに多く寄せられるご質問を項目ごとにまとめました。各種サービスについてもご案内しています。

質問と回答一覧

お問い合わせ

ヘルプで解決できない問題や、直接サポートセンターとやり取りをしたい場合はこちらをご利用ください

お問い合わせ