10月23日まで、日経平均は「陰線」を11日連続で引きました。11日連続は2012年4月25日〜5月16日(13日連続)以来の長さでした。また、TOPIXも11日連続で陰線を引きました。11日連続は1992年3月3日〜18日(12日連続)以来の長さでした。24日は、日経平均、TOPIX共に、12営業日ぶりに「陽線」を引きました。しかしながら、週末25日は、日経平均、TOPIX共に再び「陰線」を引きました。そして、25日の東証プライムの売買代金は概算で3兆1579億円と、売買代金は今年最低でした。
一方、24日の東証グロース市場250指数は、前日比4.74ポイント(0.8%)安の599.35ポイントと、600ポイント大台を割り込みました。そして、25日の同指数は4日続落し、終値は同10.05ポイント(1.68%)安の589.30ポイントでした。このように、足元の日本株は大型株も小型株も、冴えない動きを続けています。主因は、「日米共に選挙を控え、政治リスクの高まりを嫌った売り圧力が強かったこと」と「米金利上昇によるグロース株への売り圧力が強まったこと」です。
まず、日本の27日投開票の衆議院選挙に関しては、24日22時01分、読売新聞オンラインが「与党過半数の攻防、自民苦戦し小選挙区130超で接戦・立民大幅増へ・国民も躍進…読売終盤情勢調査」と題した記事を配信しました。市場では、仮に、自公が過半数割れとなっても、国民民主党などとの連立政権あるいは閣外協力によって、政権の枠組みが大きく変わる可能性は低いとみられています。それはさておき、私は、選挙結果がどうであれ、結果さえ判明してしまえば、日本株は、いったんは「アク抜け」するとみています。
次に、11月5日の米国大統領選挙に関しては、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領と共和党のドナルド・トランプ前大統領の選挙戦世論調査では、接戦が続いているようです。正直、どちらの候補が勝つかは、わかりません。しかしながら、どちらが新大統領になっても、インフレを鎮静化させ、米経済を成長させる政権運営を目指すはずです。よって、米国も、日本同様に選挙結果が判明したら、いったんは「アク抜け」すると考えています。
最後に、10月25日の日経平均の終値は37913.92円でした。5日移動平均線(25日現在38305.72円)を下回っています。今後、同線を上回るタイミングが「順張りでの日本株の買いの好機」となると考えています。逆に、同線を下回っている間は、下振れを警戒して、慎重な運用を心掛けることをおすすめします。
2024年10月25日
相場の見立て・展望(10月25日付)
- 情報のプロフェッショナル
- 藤井 英敏
- 情報のプロフェッショナル
- 藤井 英敏
カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。
- 証券会社のディーリング部に在籍し、株式売買の経験があるものを証券ディーラーと呼称しています。