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2025年1月17日

相場の見立て・展望(1月17日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
米長期金利の上昇が一服しています。1月13日、米10年物国債利回りは、一時は4.80%と2023年11月以来の高水準を付けました。これは、2024年12月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想以上に伸びたため、インフレの勢いが鈍化しにくい状態が続くとの観測が広がり、長期債券が売られたためです。しかしながら、15日発表の2024年12月の米消費者物価指数(CPI)で、食品とエネルギーを除くコアの上昇率が前月比は0.2%、前年同月比は3.2%と、いずれも市場予想の0.3%、3.3%を下回ったことで、インフレ再燃への警戒がいったん後退し、長期債券が買い戻され、15日の米10年物国債利回りは前日比0.14%低い4.65%でした。

そして、16日の米10年物国債利回りは前日比0.04%低い4.61%でした。週間の米新規失業保険申請件数は21万7000件と、市場予想の21万件を上回り、前回分も上方修正されたことに加え、2024年12月の米小売売上高が前月比0.4%増と、市場予想の0.5%増を下回ったことが、長期債券の買い材料になりました。さらに、FRBのウォラー理事が、16日、2024年12月の米CPIと同様の内容が続けば「今年前半の利下げがあり得る」との考えを示したことも米長期債券の買い材料になりました。

このような米長期金利の動向を受け、米株式市場は、16日は反落したものの、15日はCPI下振れを好感し、大幅高となりました。ちなみに、15日のNYダウは前日比703.27ドル(1.65%)高の43221.55ドルでした。上げ幅は2024年11月6日以来の大きさでした。このことからもわかるように、米株式市場は、米長期金利の動きに対して、極めて神経質になっている様子が窺えます。

一方、日本では、氷見野良三副総裁が14日の講演で「利上げを行うかどうか議論して判断する」と明言し、植田和男総裁も15、16日と連日にわたり「利上げを行うかどうか議論して判断する」と発言しました。このため、23〜24日の金融政策決定会合で追加利上げが決まるとの思惑がにわかに強まっており、外国為替市場では、日米の金融政策の方向性を意識した円買い・ドル売りの圧力が強まり、円安が一服しています。この円安一服は、わが国輸出関連企業の株価上値圧迫材料であり、日経平均への逆風です。

以上述べてきた状況を織り込んだ17日の日経平均の終値は、前日比121.14円(0.31%)安の38451.46円でした。5日移動平均線(17日現在38626.66円)、25日移動平均線(39272.85円)、75日移動平均線(同38953.29円)、100日移動平均線(38580.34円)、そして200日移動平均線(同38663.10円)全て下回っています。チャート的には、短期・中期・長期の下落トレンドが発生中です。今後に関しては、少なくとも、日経平均の終値が5日移動平均線を上回るまでは、現在の「調整」が続くとみておく必要があると考えています。ですが、米国経済が堅調です。このため、世界景気敏感株の日本株が中長期の下落トレンド入りするリスクは低いと考えます。よって、「押し目買い・噴き値売り」を基本戦略にして、積極的な市場参加をおすすめします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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