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2025年1月31日

相場の見立て・展望(1月31日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
1月31日の日経平均は3日続伸し、終値は前日比58.52円(0.15%)高の39572.49円でした。今週(1月27日~31日)の高値は31日の39681.82円、安値は28日の38886.05円でした。終値ベースで週間では、359.49円(0.90%)下落しました。

今週に関しては、中国のAI企業「DeepSeek」(ディープシーク)」が開発した低コストの生成AI「R1」によって、米国のハイテク企業の優位性が脅かされるとの懸念が急速に強まりました。その結果、27日にはエヌビディアの時価総額が約5900億ドル吹き飛ぶなど、AI関連銘柄が急落しました。なお、米マイクロソフトとオープンAIが、ディープシークと関連のあるグループがオープンAIの技術から出力されたデータを不正な方法で入手したかどうか調査していると伝わっています。しかしながら、米マイクロソフトのサティア・ナデラCEOはディープシークについて、好意的な発言をし、29日、「アジュールAIファウンドリー」に「R1」を追加したことを明らかにしました。そして、ディープシークによる技術革新は、中長期にAI産業にポジティブに作用する見通しです。このため、週後半にかけては、中国の廉価な生成AIの台頭を警戒する動きは和らぎました。

ところで、4会合ぶりに利下げ据え置きを決めた1月29日のFOMC後、パウエルFRB議長は記者会見で、堅調な米経済を背景にインフレ率は「高止まりしている」との認識を示し、「金利を調整するにあたって急ぐ必要はない」などと述べました。つまり、FRBは、追加利下げに慎重になっており、タカ派です。一方、日銀はハト派です。確かに、日銀は、1月24日の金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.25%から0.5%へ引き上げました。しかしながら、会合後の記者会見で、植田総裁は、「(追加利上げを)ポンポン上げていけるかとかそういうことについては、安易に考えずに注意深く進んでいきたいというふうにはもちろん思っております。」とも述べているため、拙速な利上げは見込んでいないのです。このため、日米金利差の縮小は見込み難いため、ドル円相場は膠着する見通しです。

日経平均の関しては、今年1月17日の38055.68円~昨年12月27日の40398.23円のレンジで推移している間は、「ボックス相場(保ち合い局面)」が継続する可能性が高いとみています。米国に関しては、インフレが落ち着いていると同時に、経済全体が堅調です。日本株は米国経済敏感株なので、大きく崩れるリスクは低いとみています。その一方で、現在の相場水準から、積極的に上値を追う材料も特に見当たりません。このため、上値も重そうです。

市場関係者へのヒアリングベースでは、日経平均が39000円を上回って推移しているにもかかわらず、思うように儲かっていない個人が多いとのことです。これまでの人気テーマの半導体、AI、防衛などの銘柄群の株価が総じて冴えないことが主因のようです。結論として、当面の物色テーマに関しては、外部環境の影響を受け難い、金融を中心にした内需関連やインバウンド関連に注目しておきたいと思います。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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