年内最後のSQは(28,523.30円)で決着。
今回の1か月はオミクロンショックをきっかけとして前回のSQ値を下回り陰転から想定値幅マックス2000円幅の下落となったところで勝負は決しました。
オミクロンの材料は少し信憑性というか不確かなものでありましたが、その後のパウエル議長のテーパリング加速発言がダメ押しとなりここまでの下落局面を作り出したと考えます。
ですが振り返ってみても225先物の下落率が突出しており、この下落率を作り出したのは海外ファンドによるパワープレーであり、そのパワーによって追証に追い込まれてしまった個人投資家からの投げ売りが薄い板状況において思わぬ安値を付けてしまったのかもしれません。
この日本市場のオプション市場を取り巻く環境は海外ファンドがかなり好きかってやれる状態でありますのでこのやりたい放題はやはりなんとかするべきなのではないかと思います。
以前からこのことは何度か言及していますが今回も改めて感じたところであります。
今週も火曜日に大手海外ファンドが28500円のコールを大量に買い付けたことから28500円より下でSQ値が決まることはほぼ考えられない状態を作り出しており、結果ギリギリではあったもののやはりこの水準はキープされました。
日本のオプション市場は牛耳られており、この力には向かうことは誰もせず従うしかないようです。
逆を仕掛けようものなら餌食になるだけなのでしょう。
但し、その力を及ぼすことが出来るのもSQ値から2000円というところが限界であるということが今回も実証されましたので今後もこの値幅を目安としてトレードに活かせると考えます。
本日のSQ値から次のSQまでの予想レンジはマックスで26500~30500円と予想を立てます。
今のところはSQ値よりも下に推移しておりますので方向としては26500円を目指しており、先ずは1000円程離れた27500円といったところになるでしょう。
今のこのスタート段階においてはSQ値よりどちらに推移するかどうかで強弱の方向性を考えて頂ければと思います。
しかし本日はメジャーSQだったにもかかわらず東証1部の売買代金が2.6兆円とかなり低水準だったことからSQに絡む売買が単純に少なかったのか、それでも通常の売買はかなり少なかったでしょう。
先週の急落局面で手仕舞いが進んでしまったという見方が妥当になりますかね。
日中の通常の売買については今晩の米国の消費者物価指数や、来週のFOMCなどの重要なイベベントを見極めたいといったところなのでしょう。
FOMC後にある程度ハッキリとした方向性が出ると思いますが上に推移して年末ラリー相場となることに期待します。
それでは来週もよろしくお願い致します。
2021年12月10日
SQ値(23)

- 投資調査部
- 成岡 順

- 投資調査部
- 成岡 順
専門学校を卒業後、証券会社の株式部、所謂「場立ち」として就職。のちに東京証券取引所内での自己売買(株式ディーラー)として相場を闘い抜く。その後は準大手証券SMBC証券に移籍。オーバーナイトポジションは5億を超えるポジションで勝負。SMBC証券を退職後は中堅証券を2社渡り歩き、現在は株式会社G&Dアドヴァイザーズの投資助言者。
- 証券会社のディーリング部に在籍し、株式売買の経験があるものを証券ディーラーと呼称しています。