今年も大変お世話になりましてありがとうございました。
今年の相場を振り返ってみますと、今年の主役はTOPIXだったと思います。
その要因としましては昨年の様な日経平均を上げるための日銀買いが無くなり、買いの主体がTOPIXベースにシフトしたことになるでしょう。
その日銀買いの象徴とされていたファストリのチャートを見るとその様子が明らかです。
日銀買いは今年の3月まである程度の規模で入っていましたが、それ以降は4月、6月、9月、10月に700億円づつ入っただけに留まっており、ファストリのチャートは見事に3月に11万円まで上昇しピークとなって下落に転じると
8月には7万円迄の下落となりました。
そして菅首相が退陣を発表すると政策期待が高まって全体的に大幅高したことからファストリ株も9月は8万円迄リバウンドをしたものの、岸田新政権は残念ながら株式市場にとってはネガティブなスタンスを取り続けており、
期待外れとなってしまったことから上値は重く、直近安値近辺(65000円台)での推移となってしまい、今週には遂に日経平均の寄与度ナンバーワンの座を東京エレクに奪われてしまいました。
ファストリに関しては日銀買いという買い主体が居なくなってしまったことからこれまでとは違ってヘッジの対象として空売りを集めていたと見ております。
恐らく今もその動きは続いていると考えます。
中国リスクなどを考えてもヘッジ売りの対象としてファストリは良いのかもしれません。
日経平均は上記したユニクロと同様の動きになりましたが、TOPIXは3月以降ほぼ横ばいの動きで日経平均よりも底堅い動きとなりました。
この動きになったことは今まで日経平均よりもかなり出遅れていたこともあり、その遅れを取り戻す形と言えるでしょう。
そしてまだ出遅れ感はあるのでこの動きもしばらく続くと見ております。
振り返って年足チャートを見てみると日経平均もTOPIXも綺麗な陽線です。先高観も感じられるチャートに見えます。
しかしながらその中身と言えば先述したように選挙後に上昇を見込んで買っていた投資家の期待を裏切り、結果として追証に追い込まれるまでに至ってしまったのが現実ですのでこの綺麗なチャートはあくまでも外見の良さだけです。
貯蓄から投資に動いた人達もそれなりにいたと思いますのでこの期待を裏切ったことはとても残念なことだと思います。
冒頭に今年の主役はTOPIXとして書きましたが、世界のマーケットにおいての主役は結局アメリカのままでしたね。
日本も主役に躍り出るチャンスがあの選挙前の売買代金3兆円越えが続いていた時はあったと思います。
あの流れを生かして新首相が違う顔になっていたらと思うと残念ですが、そこを押し通す力が日本にはないということなのかもしれません。
ですが次のチャンスは意外と来年なのかもしれないと考えたりしてます。
その考えをこれからまとめてどこかで発表できればと思っておりますので来年もどうぞよろしくお願い致します。
このコラムを読んで頂いて本当にありがとうございます。
皆様、良いお年をお迎えください!
2021年12月30日
「感謝」

- 投資調査部
- 成岡 順

- 投資調査部
- 成岡 順
専門学校を卒業後、証券会社の株式部、所謂「場立ち」として就職。のちに東京証券取引所内での自己売買(株式ディーラー)として相場を闘い抜く。その後は準大手証券SMBC証券に移籍。オーバーナイトポジションは5億を超えるポジションで勝負。SMBC証券を退職後は中堅証券を2社渡り歩き、現在は株式会社G&Dアドヴァイザーズの投資助言者。
- 証券会社のディーリング部に在籍し、株式売買の経験があるものを証券ディーラーと呼称しています。