為替相場は3月に115円を上抜けて来たところから今月半ばに140円手前まで急ピッチで円安が進みました。
円安ということが企業業績を押し上げる要因になるため日経平均を潜在的に押し上げることになっていたと思われます。
ということから3日前の137円台から一気に133円割れとなってしまった動きが本日の日経平均の上昇を阻みました。
特に昼休み時間中に1円深押ししたことから後場から売り圧力が強まってしまい、反発する動きは完全に抑え込まれてしまったと思います。
FOMCも無事に通過して、日米共に恐怖指数は適正水準まで下落しましたが、日本株にとってはまさかの逆風が吹いてしまったということでしょう。
米国株市場にとってはドル安は追い風になると考えますので本日も上昇する可能性は高くなったと思いますが、日経平均にとっては為替の動きの方が重要になると思われます。
しかしながら再度円安になるというのも今のところは考えにくく、130円台をキープ出来れば最高なのではと考えます。
なのでここからは決算発表が本格化して来ますのでその決算を見極めてこれまでとは大きく資金が向かう先が変化して来るのではないかと予想します。
円安メリット株が売られ、金利が低下していることからグロース株の割安で放置されていた銘柄などにも資金は向かいやすくなると考えます。
グロースが買われるということからバリュー株に対しても売り圧力は強まるかもしれませんが、金利は大きく下落に動くことはないと思われ、こちらに関しては下値は限定的になると考えます。
本日もマザーズ指数だけがプラスでの推移になっておりましたので既にグロース株へのシフトは始まっているかもしれません。
米国株市場の上昇の恩恵をマザーズ指数だけはしっかりとリンクして受けることも考えられます。
マザーズ指数は出遅れておりますから戻り余地も十分あり、投入した資金も好パフォーマンスに繋がる期待が持てると考えます。
よってVIX指数やVI値が低位で推移すればするほどリスクを取りやすくなりますから個別のグロース株に資金も投入しやすくなるためマザーズ指数の伸びは恐怖指数の安定が重要と考えます。
それでもある程度日経平均も安定しなければマザーズ指数の上値も重たくなってしまいますからそのためにも為替相場の変動幅が落ち着いて日経平均を構成する銘柄の資金配分が上手く入れ替わることが必要になるでしょう。
今は恐怖指数が落ち着いて推移すれば円高もそのうちに織り込んでなんだかんだで米国株市場の強さに日経平均も引っ張られることになると予想します。
米国株市場の戻り余地はまだあると考えますので日本株は今は我慢するところと考えます。
それでは来週もよろしくお願い致します。
2022年7月29日
為替と恐怖指数

- 投資調査部
- 成岡 順

- 投資調査部
- 成岡 順
専門学校を卒業後、証券会社の株式部、所謂「場立ち」として就職。のちに東京証券取引所内での自己売買(株式ディーラー)として相場を闘い抜く。その後は準大手証券SMBC証券に移籍。オーバーナイトポジションは5億を超えるポジションで勝負。SMBC証券を退職後は中堅証券を2社渡り歩き、現在は株式会社G&Dアドヴァイザーズの投資助言者。
- 証券会社のディーリング部に在籍し、株式売買の経験があるものを証券ディーラーと呼称しています。